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採算性が読めない出力抑制無制限メガソーラーを支援、3社が提携

スマートジャパン 8月4日(木)13時10分配信

 2012年に開始された固定価格買取制度(FIT)により、太陽光発電の普及数は大幅に伸びた。しかし、ここで問題になっているのが、FITによる認定は取得したものの、実際に発電所の運転が開始されていない「未稼働案件」の存在である。太陽光発電協会(JPEA)によるとFIT開始前の2012年6月までの累積導入量が4960メガワット(MW)だったのに対し、2012年7月~2016年2月までの累積認定量は7万9302MWに達した。しかし、実際の導入量は2万6454MWにとどまっており、5万3000MW分が「認定は受けているものの稼働していない」という滞留案件となっているのだ(図1)。

 しかし、太陽光発電所を実際に建設・運用する事業者側の立場で考えると、こうした状況は仕方ない面もある。発電量の変動の大きい太陽光をはじめとする再生可能エネルギーは、送配電網に与える影響が大きく、出力制御が開始されたからである。さらに2015年1月26日の再生可能エネルギー特別措置法施行規則改正により、より実効的かつきめ細かな出力制御ルールが導入。この改正により、東京・中部・関西電力を除く電力会社エリアで今後開発されるメガソーラー発電のうち接続可能量を超過したものについては、無制限・無補償の出力制御を受けることになる。

 発電さえできれば決まった価格で買い取ってもらえることから、メガソーラーなどは事業収支が見えやすく、投資案件などとしても有望視され普及が加速してきた側面がある。しかし、出力制御により、売電が自由に行えない環境となると、事業採算性は見えなくなる。そのため、融資などを受けにくくなり開発や買収が進まず、「未稼働案件」の増加をさらに助長する可能性も生んでいる。

●事業採算性の面での未稼働案件を支援

 このような課題を解決するために生まれたのが、今回の提携である。三菱総合研究所(MRI)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUMSS)、関電工の3社は、出力抑制無制限案件を含むメガソーラー発電事業の長期的な健全運用を進める連携を行うことを発表した。

 3社は、出力抑制無制限案件を適切に評価し事業採算性を見通した事業運営とファンド組成に向け協力していく。

 MRIと関電工は、各エリアの電源構成を模擬した需給シミュレーターを開発・活用し、具体的なメガソーラー発電サイトにおける出力抑制量を定量的に予測することで売電可能量を評価する。出力抑制無制限案件の事業性を適切に評価し運転受託の見極めを行うことで、事業採算性を見通した事業を運営し、案件事業化を促進する。

 MRIとMUMSSは2016年1月にメガソーラーファンドを立ち上げており、具体案件でのファンド組成を進めていますが、出力抑制無制限案件についてもこの新たに開発する受給シミュレーターモデルを用いて評価を行い、ファンドへの組み込みを行っていく。

 これらの取り組みにより、技術面、資金面などの事情により開発が停滞しているメガソーラーサイトの適切な開発を推進するとともに、事業のオーナー側の抱える事業継続性への課題や技術面での課題を解決し、メガソーラーサイトの価値を最大限に高める取り組みを進めていくとしている。

最終更新:8月4日(木)13時10分

スマートジャパン