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世界最大級のトラッカーサイト「KickassTorrents」運営者が逮捕(前編) インデックスファイルの提供は違法行為か?

THE ZERO/ONE 8月4日(木)15時11分配信

米司法省が7月20日に発表した声明によると、人気のウェブサイト「KickassTorrents(略称:KAT)」の運営者とみられるArtem Vaulin容疑者が、米当局によってポーランドで逮捕された。米司法次官補のLeslie R. Caldwellは、声明の中で次のように語っている。

・Vaulin容疑者は、現時点で最も訪問数の多い「違法のファイル共有ウェブサイト」を運営し、10億ドル分を大幅に上回る、著作権で保護されたコンテンツを不法に配信した罪に問われている。
・Vaulin容疑者は法の執行を回避するために世界中の複数のサーバーを拠り所とし、また度重なる押収や民事訴訟によって自身のドメインを何度も変更してきた。
・しかし「サイバー犯罪者は、たとえ逃げ出すことができても正義からは逃げきれない」ということが、ポーランドにおける彼の逮捕で再び証明された。

ここで報告を終えてしまえば、単に違法サイトの運営者が捕まったというだけの話題だ。しかし、この事件を伝えるニュースサイトのコメント欄には「そもそも彼の活動は逮捕に値しない」「見せしめだ」「やり過ぎ」といった非難の声が集まっている。さらにAppleやFacebookなどの大手IT企業が彼の逮捕に協力したという事実も、ますますファンの怒りを買った。果たして何が起きているのか? ここではTorrentに馴染みのない方のためにも丁寧に説明していきたい。

KATは何を提供していたのか

まずはKickass Torrents(以下KAT)のサービス内容を確認しよう。KATは、他者とファイルを共有するためのサイトで、BitTorrentの利用者にとっては検索サイトと同様の存在である。BitTorrentとは、P2P(ピア・ツー・ピア)を用いたファイル転送プロトコルだ。ファイルをネットワーク上に分散させることにより、トラフィックの一極集中を避けて高速ダウンロードを可能にした点が、旧来型の転送プロトコルとは異なっている。

このBitTorrent、日本ではそれほど一般的ではないが、欧米や一部のアジア諸国では非常に人気が高い。最大の魅力は、ファイルサイズの大きさにとらわれることなく快適にファイルをダウンロードできる点だ。この特徴は、映画や音楽などの大きなファイルを転送する際にとても好都合であるため、著作権で守られている作品を勝手に共有しようと考えるユーザーも多い。

とはいえ、共有されたコンテンツをダウンロードするには、目的のファイルへのリンクが含まれたインデックスファイルが必要となる。それを提供しているのがKATのようなサイトだ。つまりKATが管理し、提供しているのは「目次」に当たるような情報であって、共有されるファイル本体は保有していない。
たとえば我々がGoogle検索を利用するとき、検索結果のページにはサイト名とリンクが並ぶ。そこに表示される玉石混淆のウェブサイトは、もちろんGoogleによって運営されているわけではない。それと同様に、KATも「ファイルの場所をユーザーに教える役割」のみを果たしている。

ただしGoogleの利用者の大半が「法的に何の問題もない情報」を求めているのに対して、KATの利用者の大半が求めているのは「著作権で守られたコンテンツの無料ダウンロード」であるため、不法行為の温床になっているというわけだ。とはいえ「著作権を主張されている作品のダウンロードが不法行為に該当するかどうか」は解釈が問われるケースも多々ある。そしてGoogle検索もまた、使い方次第では様々な違法コンテンツのページへ繋がってしまうのだが、話がややこしくなるので、その問題はいったん脇に置いておこう。

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最終更新:8月4日(木)15時11分

THE ZERO/ONE

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