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ストレスチェックに商機-ベンダー各社、手軽な「SaaS型」で需要喚起

日刊工業新聞電子版 8月4日(木)12時30分配信

メンタルヘルス対策は重要な経営施策に

 労働安全衛生法の改正により、従業員50人以上の事業者に対し、2015年12月から従業員へのストレスチェックが義務化された。足元ではITベンダー各社がストレスチェックを支援するサービスを相次いで市場に投入している。ストレスチェックは手間とコストが必要なため、まだ実施に至っていない企業も少なくない。そこで手軽なSaaS(サービスとしてのソフトウエア)型サービスで提供し需要を掘り起こす構えだ。

 ストレスチェックは1年以内ごとに1回実施する。検査した結果は従業者に通知し、本人の希望に応じて医師が面接する段取りだ。事業者の負担が大きいため、ITベンダー各社はチェックを支援するシステムやサービスを提供し、積極的に市場を開拓しようとしている。

■組織間で比較

 富士通は職場のストレスチェックを行うストレスチェックシステム「組織ストレスアセスメントe診断@心の健康」のSaaS版とクライアントサーバー版を発売した。

 組織ごとにストレスチェックの結果を集計し、組織間や職種間などで比較する機能を搭載した。ストレスチェックの結果は部署ごとに集計し、比較したい職種や部門を選択することで、分布図やグラフで各部署を俯瞰(ふかん)できる。

 関連する部署と連携した活動を行うなど、職場環境の改善に向けて具体的な施策を計画し運用することも可能だ。価格は個別見積もりで、2018年度末までに1000システムの販売を目指す。

■4つの側面から

 一方、NECソリューションイノベータ(東京都江東区)は企業のメンタルヘルス対策を支援する「メンタルヘルスケアサービス」の最新版を9月に発売する。最新版では面接支援を追加。セルフチェックやラインケア、セルフケアを含め、4つの側面から企業のメンタルヘルス対策を支援する。

■作業負担を軽減

 面接支援機能はストレスチェックの結果や勤務状況などの人事情報、面接指導の結果などを一括管理する。これにより、従業員に面接指導を行う産業医など医療従事者を支援する。また労働基準監督署への報告資料をシステム上で作成できるため、資料作成にかかる作業負担も軽減できる。

 SaaS型の価格はID数400で1年間にわたり利用する場合、スタンダード版が28万円(消費税抜き)など。パッケージ型も合わせて200万人の利用を目指す。

 メンタルヘルス対策は企業活動を進める上で重要な経営施策になりつつある。ITベンダー各社は多様なサービスを提供し、需要を喚起して取り込む構えだ。

最終更新:8月4日(木)13時17分

日刊工業新聞電子版