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世界最大級のトラッカーサイト「KickassTorrents」運営者が逮捕(後編) KATファンによる抗議とあの大物弁護士が登場

THE ZERO/ONE 8月4日(木)15時16分配信

世界中で最も愛され、同時に憎まれたTorrentサイト「KickassTorrents(以下KAT)」の運営者とみられる人物の逮捕が報じられたのは7月20日のことだった。ポーランドで逮捕された30歳のウクライナ人、Artem Vaulinにかけられた容疑は、著作権侵害とマネーロンダリングである。米国当局は現在、ポーランドに対してVaulinの身柄引き渡しを要求している。

この逮捕と共に、シカゴの米国連邦裁判所は、KATが関与していると思わしき1つの銀行口座、および7つのドメインの押収を命じた。その7つにはもちろん、KATが現行で中心的に利用していたドメイン「Kat.cr」も含まれている。速やかに差し押さえられた「.com」や「.tv」とは異なり、この「.cr」ドメインを取り扱っているコスタリカへは、刑事共助条約に基づいた差し押さえの要請が現地の当局者へ送られた。それから数日後、Kat.crは完全にアクセス不能となった。

司法省の主張とファンの主張

前編でも触れたとおり、米国司法省はKATを「違法のファイル共有サイト」と表現し、それは映像(特に映画)の制作や配布に関わる人々に巨額の損害を引き起こして知的財産権を侵害したと訴えた。このことに大勢のKATファンたちは抗議しており、さらに「我々は情報共有の権利に対する今回の暴挙に断固として抗議する。Vaulinを釈放せよ」という嘆願の署名をオンラインで集めている。

彼らの多くは、まず「KATのサービスが法に違反した」という大前提に納得していない。先に述べたとおり、KATは違法となるコンテンツの「配信」を行わず、ユーザーがコンテンツを探すためのインデックスを提供していただけなので、Vaulinは法を犯していないと彼らは主張している。「KATで動画を探したときに『多くの著作権侵害の動画が含まれている』という点を問題視するのなら、GoogleやYouTubeのほうが重罪ではないか」などの過激な意見にも、多くの賛同が示されている。

また一部のファンは、司法省の記した「10億ドル分を大幅に上回る、著作権で保護されたコンテンツ」への侵害という表現に噛みついた。「その試算は何を根拠とした数字なのか」と疑問視する声もあれば、「私はそれらのコンテンツに金を払うつもりがない。ダウンロードできなければ、単に『見なかった』ので、配給会社や表現者に1セントも支払われはしない」「業界の売り上げが落ちているのは作品の質が下がっているから。KATはスケープゴートになっただけ、愚かな魔女狩りだ」と業界を非難する声もある。

さらに「100歩譲って、本当にKATの存在が映像の関係者たちに大きな損害を与えたというのであれば、その罪を犯したのは自分の意思でアップロードやダウンロードを行った人々、つまり月に5000万人の個々のユニークユーザーであるはずだ。なぜ彼一人が責任を負わなければならないのか」といった意見も目立つ。Vaulinではなく私たちを責めろという、なかなか美しい主張だ。これまで楽しませてもらったことに対する感謝の気持ちもあるのだろう。

一方の米司法省は、KATがいかに有害なサイトであったのかを説明するための材料として「KATでは、いま劇場で上映中の映画ですらダウンロードすることができた」という点について言及しており、その具体例として「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」「グランド・イリュージョン2」「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」「ファインディング・ドリー」などのビッグタイトルを挙げた。これは著作権問題にあまり関心のない人々にも共感されやすい、重要な指摘である。まだ封切り直後でDVD化もされていない人気の新作を、自宅にいながらにして無料で視聴できる状況は、さすがにまずい。

しかし、その点についても一部のファンは納得いかないようだ。「どのような映像をアップロード・ダウンロードするのかを決めるのはユーザーであってVaulinではない」「私は、他所でも見られるハリウッド映画をわざわざKATで見たりはしない。NetflixやHuluには良いタイトルがないからKATで探しているのだ」「KATと同様の品揃えでサービスを提供する企業がないのは、一部の連中の利権争いのせいではないのか。表現者や映像作品に被害を及ぼしているのは、むしろKATを弾圧している団体のほうだ」など、様々なコメントが記されている。

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最終更新:8月4日(木)15時16分

THE ZERO/ONE

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]