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<北朝鮮内部>「もう動けない」 移動統制の厳格化で住民悲鳴 会寧市では通行証不正で警察署を検閲

アジアプレス・ネットワーク 8月4日(木)15時34分配信

咸鏡北道会寧(フェリョン)市で、旅行証明書(通行証)を発行する際に必要な保安署(警察)の承認の不正を巡り、中央の検閲が入り騒ぎになっていると、咸鏡北道に住む取材協力者が8月2日に伝えてきた。(カン・ジウォン/石丸次郎)

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咸鏡北道居住で、保安署内部の事情に明るいアジアプレスの取材協力者は次のように述べた。
「最近、賄賂使って不正に通行証の発給を受けて平壌に行った者が悪さをして捕まった。深刻な問題だとして、通行証を発行した会寧の保安署を中央が直々に検閲している。追及は相当厳しくなるはずだと、保安署の人間から聞いた」。

周知のとおり、北朝鮮には移動の自由がなく、冠婚葬祭や出張などで他地域に行く場合、地方政府に当たる人民委員会の「二部」という部署が発行する通行証が必要だ。

通行証発給の手続きは、人民班→洞事務所(役場)→保安署→職場の順に承認を得て、最後に人民政府の「二部」が発給する。保安署では、旅行の理由が本当かを確認することになっているが、90年代後半から商用で移動する住民が爆発的に増え、賄賂を使って通行証を「買う」ことが当たり前になっていた。

◆ 検問強化し証明書チェック厳格化

さらに問題なのは、発給された証明書の確認を、各地の検問所で厳重に行うようになったことだ。

「最近は電話が便利になったので、通行証に書かれた旅行目的が本当かどうか、(検問所で)関係者に電話して確認するようになった」
と、この協力は述べる。例えば身内の結婚が旅行の理由であれば、それが本当なのかどうか、検問所から関係者に電話して確かめるというわけだ。

もう一つ、最近になって庶民の移動の大きな障害になっているのが、「移動検問」だ。保安員がオートバイで移動しながら、道路で臨時の検問を行うことが頻繁になったという。固定検問所ならば、バスや「サービ車」(トラックの荷台を利用した乗合車)の運転手たちは保安員と顔見知りだし、賄賂を事前に用意して見逃してもらえるようにできるが、「移動検問」は抜き打ちで、いつ、どこでやるのかわからない。車が「移動検問」で止められて乗っている人間の証明書を、いちいち確認していたら何時間も足止めを食ってしまう。

「統制が厳しくなって、だんだん移動するのも難しくなってきたことを実感する」
と、取材協力者は嘆息した。

北朝鮮では多くの国民が商行為によって生計を維持しており、移動統制の強化は生活を直撃するため、現地では深刻に受け止められている。

最終更新:8月4日(木)20時37分

アジアプレス・ネットワーク

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。