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【中学受験】これからの大学入試制度改革を踏まえて準備しておきたいこと

ベネッセ 教育情報サイト 8月4日(木)16時0分配信

ベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏が、教育環境の変化に対応した受験対策についてお話しします(『ベネッセ進学フェア2016』講演会 2016<平成28>年5月、東京国際フォーラムより)。

子どもたちが生きる未来社会とは

2100年までにどんなことが起こるのでしょうか。
日本では2020年にオリンピック・パラリンピックが開催されます。2050~60年には65歳以上の高齢人口が4割になります。

科学技術方面では、2045年にシンギュラリティーという、人工知能が人間の能力を超える出来事が起こり、頭脳労働さえもロボットが人間にとって代わるといわれており、オックスフォード大学のオズボーン准教授の計算では、あと10~20年のうちに人工知能が代替するようになる職業は、全米の702職種のうちの47%に上ります。つまり、今ある職業の内の半分くらいはなくなるのです。ある職業を目指して勉強しても、大人になったらその職業はなくなっていたということが、将来的にありうるのです。

そのため、今までは「正解をより速く、正しく見つけ出すこと」が求められていましたが、今後は「問いを自ら発見し、答えを創り出すこと」が求められるようになります。誰も答えを提示してくれませんから、主体性を持って考える姿勢が必要になるといえます。

教育環境の変化

現在の教育改革は「大学改革」「大学入試改革」だけではなく、高校、中学校、小学校、幼稚園・保育園のすべてを含んで進められています。なぜなら、子どものうちから、与えられた正解をそのまま身に付けるのではなく、自分で問いを見つけ、自分で解決していく力が必要になるからです。これを軸に教育改革のシナリオは書かれています。

2000年度から3年ごとにOECDで行われている「生徒の学習到達度調査」で、2000年に出題された「落書きに関する問い」があります。これは、ヘルガさんの手紙(意見)「落書きは反対」とソフィアさんの手紙(意見)「落書きは問題なし」を読んだうえで、「あなたは、この2通の手紙のどちらに賛成しますか。片方あるいは両方の内容にふれながら、自分なりの言葉を使ってあなたの答えを説明してください」というものでした。

この問題では、どちらに賛成してもかまいません。「片方あるいは両方の内容」にふれて根拠を示すことを条件に、自分の意見を主張できるかどうかが問われました。つまり、正解を導き出すことではなく、自分でいろいろな情報を使いながら、主体的に問題解決していく力が求められています。2000年には既にこうしたことが問題となっていたのです。

また、英語の教育改革も、大学入試改革と連動して行われています。これからは小学校でも英語が必修になります。これまでは、和訳や暗記が中心でしたが、これからは、「聞く・話す・読む・書く」の4技能が入試でも問われるようになり、ペーパーテストだけではなく、現在の大学入試センター試験で行われているようなリスニングに加えて、スピーキングの試験(面接官との英語での質疑応答)も行われるようになるでしょう。

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最終更新:8月4日(木)16時0分

ベネッセ 教育情報サイト