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「なんでこんなに引かれるの?」 意外と知らない給与明細の疑問に回答

マネーの達人 8/4(木) 5:25配信

新人サラリーマンから、実際の銀行の振込み額が説明された月給と大きく違っていた、「こんなに引かれるの?」 と愕然とした、という話をよく聞きます。

そこで、今回は新人サラリーマンは勿論、ベテランサラリーマンでも意外と知らない給与から差し引かれる社会保険料や税金など、控除額を中心に、どのような根拠で給与計算されているのか、一般的な社会保険に加入している民間サラリーマンの給与明細の疑問についてご紹介します。

一般的な給与明細の例

会社によって手当の名称などいろいろですが、一般的に総支給額は基本給・資格手当・役職手当・残業手当・住居手当・家族手当・通勤手当などを合計して計算されます。

一方、控除額は法的に差し引かれる社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)や税金(所得税・住民税)と会社が社員との合意のもと、財形預金・生命保険料・昼食費・労働組合費等を差し引いている場合があります。

分かりづらい控除額の根拠は

一般的に総支給額はわかり易いと思いますが、何を根拠に控除額がどのように決まっているのか理解している方は少ないと思います。そこで控除額の根拠について説明します。

■1. 健康保険・介護保険・厚生年金

健康保険は、お勤めの会社により大企業の場合は組合管掌健康保険、中小企業の場合は全国健康保険協会管掌健康保険(愛称:協会けんぽ)となります。

大企業の組合管掌健康保険は、組合ごとに負担割合が設定されますが、中小企業の全国健康保険協会管掌健康保険では毎年4月、5月、6月の3か月間の平均給与で「標準報酬月額」の等級で計算され、その額に都道府県ごとに決められた保険料率を乗じて保険料が計算されています。

介護保険は、65歳以上は第1号被保険者として保険料は原則として公的年金から控除されますが、40歳以上65歳未満は第2号被保険者として「標準報酬月額」に0.79%(個人負担分)を乗じた保険料が給与から控除されますので、39歳以下は控除されません。

会社によっては介護保険を健康保険に含めて健康保険の欄に合計で表示している場合もあります。

厚生年金も基本的には健康保険と同じ「標準報酬月額」の等級で計算され、「標準報酬月額」に8.914%(個人負担分)を乗じて保険料が計算されています。

『健康保険・厚生年金保険の保険料額表』は『協会けんぽ』のHPで確認できます。

健康保険の保険料率は都道府県ごとに違っていますので、会社の所在地の都道府県で確認下さい。

※『健康保険・厚生年金保険の保険料額表』を確認いただくと、全額と折半額(個人負担分)の欄に分かれていますが、給与から控除されるのはあくまで折半額のほうで、残りの同額は会社が負担してくれています。

■2. 雇用保険・労災保険

雇用保険は、失業した時に働く意思と能力があれば失業給付を受けるために控除されるもので、一般の事業の保険料率は総支給額の0.4%(個人負担)、残りの総支給額の0.7%は会社負担。

労災保険は、業務中や通勤途中などで負傷・疾病・障害・死亡について給付が行われますが、業種により総支給額の0.25%~8.8%を全額会社が負担し、個人負担はありません。

■3. 税金

所得税は、総支給額から非課税の通勤手当と社会保険料を控除した額を基に扶養家族の人数で源泉徴収される金額が決まります。

あくまでも毎月は概算で源泉徴収し、毎年12月に年末調整で一年間の税額を確定し、還付又は不足で調整するようになってます。

住民税は前年の源泉徴収票を基に各市区町村で税額の確定したものを当年6月から翌年5月の12分割で控除されます。新卒のサラリーマンは初年度は所得税のみですが、翌年からは住民税も控除されことになります。

「こんなに引かれるの」と思わずに

以上、控除額を中心に説明してきましたが、新人サラリーマンでなくても給与から控除される金額の多さに嘆きが聞こえてきそうですが、社会保険料や税金は社会保障・公共事業・防衛・教育など様々な分野で社会を維持するために使われています。

日本が他の国に比べて比較的貧富の差も少なく、平穏に暮らしていける源泉になっていることも事実です。

が、依然として税金の無駄遣いや汚職等が後を絶たない事実もありますので、政府には社会保険料や税金を大切に無駄なく、将来のために払ってよかったと思えるような制度運用を願っています。(執筆者:後藤 誠道)

最終更新:8/4(木) 5:25

マネーの達人