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五輪では地面にも注目!化学が支える晴れ舞台

ニュースイッチ 8月4日(木)12時40分配信

人工芝で最高の熱戦、日米の英知を結集

 5日に開幕するリオデジャネイロ五輪・パラリンピック。競技場や選手村、プレスセンター、国際空港など関連インフラ建設を支えたのが化学世界大手の米ダウ・ケミカル(ミシガン州)だ。

 同社は化学会社で唯一の五輪トップパートナー。国際オリンピック委員会(IOC)との契約で組織委員会が発注する物件は、パートナーに第1供給権が与えられる。「ポリエチレンの世界最大手として安定供給できる」(ダウ・ケミカル日本の佐々木吉信オリンピック担当部長)強みもあり、リオ五輪関連で20件近いプロジェクトに参画した。

 開会式・閉会式などが行われるメイン会場のマラカナン競技場。サッカー専用競技場に敷き詰められた天然芝の下に排水・かん水システムがあり、その配管にダウの汎用樹脂のポリエチレンが使われた。選手村の各種建物には、独自のセルロース技術を活用した建物の塗料原料や建材原料、給水タンクに使う樹脂原料であるプロピレングリコールも提供した。

 中でも同社の独自技術が生きるのが人工芝だ。2012年のロンドン五輪で初めて導入されたホッケー競技場向け人工芝原料がリオでも採用された。

 ポリエチレン製人工芝は、樹脂の混練とヤーン(糸)生産をして、独自技術を用いた植え付けや裏張りを施す。このため表面がぬれた状態でも性能を維持する。

 表面の柔軟性や球のスピード性に加えて、耐摩耗性や衝撃緩和性に優れ、競技レベルを一段と高める効果が期待できる。佐々木担当部長は「人工芝でないと着色できない。球が見やすくなるなどの効果が期待できる」と“見た目”も向上すると説明する。

 ダウのパートナー契約は東京五輪・パラリンピックのある20年まで。ダウ・ケミカル日本は、すでに日本のゼネコンや化学メーカーなど協力会社との協議を進めている。

 「日本は技術立国であり、モノづくりの国だ。技術のショーケースとして、化学の最先端技術を用いてより環境に優しい五輪にしたい」と佐々木担当部長は意気込む。建物の省エネルギーに貢献できる断熱材など、アピールできる技術は多いとみる。

 スポーツの祭典をインフラ材料面で支えた経験の集大成として、そして化学業界の代表として、日米の英知を結集して、東京五輪に臨む。

最終更新:8月4日(木)12時40分

ニュースイッチ

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