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ソウル市の若者手当てに福祉部が是正命令

ハンギョレ新聞 8月4日(木)11時30分配信

福祉部とソウル市が正面衝突 事業開始と同時に法廷へ 若者は混乱

すでに支給されたお金はどうなる
政府「職権取り消し」、市「最高裁提訴」
政府勝訴時は返還問題が拡大
ソウル市「若者には責任がない」
返還の代わりに交付金削減か

福祉部、なぜ今になって是正命令
「是正命令対象が明らかになるのを待つ」
若者の現実に目をつむりブレーキ
各界から政府の非常識に批判殺到

 低所得層の若者を対象にしたソウル市の青年活動支援事業(若者手当て)が3日、不安なスタートを切った。同日、是正命令をソウル市に通知した保健福祉部が予告した通り「職権取り消し」を行使すれば、事業はいったん中止される。ソウル市は仮処分申請など法的対応を準備している。活動費の支給初日から混乱に直面した青年団体は「疲れきった若者の生活を改善するために地方自治体と中央政府の違いなどない」と指摘した。

 同日午前、ソウル市は青年活動支援事業の対象者3000人の選定を終え、ウリ銀行を通じて2831人に最初の月の活動費50万ウォン(約4万5千)を一括して口座に振り込んだと明らかにした。口座番号を伝えなかったり約定書に同意していない169人は、その後に支給される。

 福祉部が是正命令に続き職権取り消しに出れば、ソウル市は職権取り消し執行停止仮処分申請と大法院(最高裁)提訴で対抗する計画だ。しかし、裁判所の決定が出るまでソウル市は事業を留保しなければならない。

 裁判所が福祉部に勝訴判決を下したら不当利益と返還問題が発生する。福祉部はソウル市が回収すべきと主張する。同部のカン・ワング社会保障委員会事務局長は同日の記者会見で「ソウル市が当然還収措置に乗り出すものと期待している」と法的、社会的混乱はソウル市に責任があると警告した。

 これに対して若者に還収の責任はないとソウル市は説明した。同市のチョン・ソクユン法律支援担当官は3日、記者会見を通じ「支援を受けた若者には帰責事由がないため不当利得とはみなせないものと判断した」と明らかにした。その代わり、中央政府がソウル市に責任を問い交付金削減を行うものと予想される。

 ソウル市と福祉部はそれぞれ法律諮問を通じた法廷争いを準備している。その争いから当の若者は抜け落ちている。福祉部が是正命令を若者手当ての支給対象者募集過程で下さず、支給後に下したことについて、カン事務局長は「(是正命令を下す対象になる)法律行為が明確になるまで待っていた」と話した。若者手当てを受け取る若者たちが経験する混乱などは考慮の対象ではなかったことになる。

 ソウル市に若者手当てを提案した青年団体は同日、福祉部の是正命令を批判する記者会見を開き、「若者の暮らしを改善させるための仕事に中央政府、自治体、与野党の違いなどあるはずがない。しかし、福祉部は若者政策を充実させ新規導入するどころか、新たな政策を試みる自治体を圧迫している」と訴えた。

 3日に開かれた国会保健福祉委員会では、会議本案件の補正予算案より若者手当てをめぐる与野党の論争が激化した。共に民主党のキム・サンヒ議員は「こんなに無遠慮な政府がどこにあるのか。若者のために一体何をしているのか」とし、「予算のない地方自治体が見るに見かねて若者の手当てをしようというのに、同意できないのか」と訴えた。一方、セヌリ党のキム・スンレ議員は「若者より弱い立場にある人たちが払った税金で若者手当てを支給するのが正しいのか」、「無償政策は一度認めれば排除できない」と反論した。

 地方自治・行政法の専門家は、中央政府と地方自治体が協力する政治の失敗で裁判所の判断を待つのは不可避であるとしても、望ましいことではないと指摘した。ソウル大行政大学院のホン・ジュンヒョン教授は「自治事務にはソウル市の固有の権限があるので、その範囲内では住民の福利をために使うことができる。福祉部が前向きな姿勢で接近しないため社会の葛藤に飛び火した」と指摘した。高麗大のイム・ヒョン行政学科教授は「福祉部がソウル市の政策に同意できないなら、社会保障委員会で内容を調整するようになっている。中央政府と地方自治体の合意の手続きには自治体参加の保障が必要だ」とした。若者手当はソウル市と福祉部の協議で失敗したため、社会保障委員会による調整手続きを踏まねばならないが、まだ政府は会議の日程すら決めていない。
チェ・ウリ、ファン・ボヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月4日(木)11時30分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。