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円下落、日銀緩和姿勢変化なしとの見方-岩田副総裁発言で上下振れる

Bloomberg 8月4日(木)10時59分配信

4日の東京外国為替市場では円が下落し、対ドルで1ドル=101円台後半まで水準を切り下げた。日本銀行の緩和姿勢に変化はないとの見方を背景に、円売り圧力が掛かった。

午後4時10分現在のドル・円相場は101円54銭前後。午前には日本銀行の岩田規久男副総裁の講演内容を受け、期待したほどハト派的ではないとの見方から100円86銭まで円高に振れた。その後は値を戻し、午後に岩田副総裁の記者会見での発言が伝わると、一時101円67銭まで円売りが進んだ。

みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、ドル・円について「日銀当局者の発言をめぐる思惑で振れている」と指摘。岩田副総裁の記者会見については、「黒田東彦総裁の発言内容に沿うような形で、基本的には緩和方向で検討するということだと思う」とし、午後の円売りにつながったとしている。

岩田副総裁は4日午後に横浜市内で記者会見し、総括的な検証の目的はできるだけ早期に2%に達成するためだとし今までの緩和の程度を縮小するというようなことはあり得ないとの見解を示した。また、緩和の手を緩めるということはあり得ないと語った。

同氏は午前に行った講演で、政府の財政政策と日銀のマイナス金利付き量的・質的緩和の「ポリシーミックス」による景気刺激効果は、「ヘリコプターマネー」や「財政ファイナンス」とは異なるなどと発言していた。JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、9月日銀会合での総括的政策検証を控え、「今のフレームワークにおける緩和は限界に近づいているのではないかという観測が高まっている」中で、ハト派の岩田副総裁から強い否定のコメントがなかったことでやや円買いにつながったと説明した。

米雇用統計見極め

米国では5日に7月の雇用統計が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値によると、非農業部門の雇用者数は前月比18万人増が見込まれている。6月は28万7000人増だった。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが3日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、7月の米民間部門の雇用者数は17万9000人の増加と、市場予想の中央値17万人増をわずかに上回った。

外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「ADPがそれなりに強かったことで、明日の雇用統計もまずまず期待できそうというムード」だと話す。

この日は英国で欧州連合(EU)離脱選択後で2回目となる金融政策決定会合を開く。ブルームバーグのエコノミスト調査では、政策金利が0.25ポイント引き下げられ0.25%に設定されるとの見方が大半となっている。

Kazumi Miura

最終更新:8月4日(木)16時11分

Bloomberg