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岩田日銀副総裁:ポリシーミックスはヘリコプターマネーと異なる

Bloomberg 8月4日(木)11時14分配信

日本銀行の岩田規久男副総裁は4日、横浜市内で講演し、政府の財政政策と日銀のマイナス金利付き量的・質的緩和の「ポリシーミックス」による景気刺激効果は、「ヘリコプターマネー」や「財政ファイナンス」とは異なるとの見解を示した。日銀が講演テキストをウェブサイトで公表した。

岩田氏はこの中で、政府が国債発行を通じて財政支出を拡大すると同時に中央銀行が金融緩和を推進する「ポリシーミックス」は、市場金利が上昇し、民間投資を抑制する「クラウディング・アウト」を防ぐためのマクロ経済政策として一般的な考え方だと指摘。現在の政府と日銀の政策の相乗効果によって景気刺激策は「非常に強力なものになる」と述べた。

その上で、こうした政策は「中央銀行マネーの恒久的な増加を原資に財政拡張を行うヘリコプターマネーや、財政資金の調達を手助けするために中央銀行が国債を買う財政ファイナンスとは異なる」と指摘。さらに、「マーケットでは、ヘリコプターマネーに関する議論が盛んだが、定義を明確にすることなく、その是非を論じることは建設的とは思えない」と語った。

総括的検証

次回9月の決定会合で行う「総括的な検証」については、大規模な金融緩和にもかかわらず、2%の物価安定目標が達成できていないことから「政策効果の波及メカニズムやそれを阻害した諸要因などについて、検証したい」と述べた。

同時にマイナス金利政策導入が金利低下に大きな効果を発揮している一方で、金融機関や金融市場にも「さまざまな影響を与えている」として、実体経済・金融面に対する効果や影響についても点検すると説明。「何か特定の政策の方向性を考えていることはない」という。

物価見通し

物価動向についても触れ、「基調は着実に改善している」としながらも、消費者物価上昇率(生鮮食品・エネルギー除く)の前年比上昇率のプラス幅が円高の進行や予想物価上昇率の改善の後ずれを背景に縮小していると指摘。2017年度中に2%程度の物価安定目標に達するとした「見通しの不確実性は大きい」との見方を示した。

英国の欧州連合(EU)離脱が世界経済に与える影響が不透明なことから、「海外経済に関する不確実性に十分注視していきたい」と述べた。足元の景気動向については、新興国経済の減速などの影響で輸出・生産に鈍さがみられるものの、「基調として緩やかに拡大していく」との見通しを維持。事業規模28兆円の政府の経済対策が「今年度、来年度の景気をかなりの程度押し上げる」と語った。

発言内容を第4段落以降に追加します.

Kyoko Shimodoi

最終更新:8月4日(木)12時49分

Bloomberg