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クリアリング奪えばロンドン金融業の浸食招く-雇用200万人に影響も

Bloomberg 8月4日(木)12時58分配信

英国が欧州連合(EU)離脱を選択した後に表面化したロンドンの金融サービス業界の機能をめぐる争奪戦で、トレーディングの一層の安定を目的とする目立たないバックオフィス業務が人質となっている。

フランスとドイツの当局者は、ロンドンの金融サービス機能を奪いたい構えだが、英国側も守りの準備を整える兆しがある。トレーダーのデフォルト(債務不履行)から他の参加者を守るファイアウオール(防火壁)の役割を果たすクリアリング(清算・決済)は、2008年の金融危機以降に拡大。ユーロ建て取引のクリアリング拠点をロンドンから他のEU加盟国に移すという脅しが実行されれば、クリアリングハウス(清算・決済機関)と会員の銀行で数千人の雇用が危険にさらされることになりかねない。

デービス・ポーク・アンド・ウォードウェルの法律専門家マイケル・ショーレム氏は、クリアリング業務について、EUへの銀行アクセスと共に英金融業界で働く200万人の雇用を支える2つの重要な柱だと指摘する。

ショーレム氏は「それらの柱が撤去されれば、10-15年かけて徐々に浸食が起きる可能性が高い。新たな市場がどの程度肩代わりできるかという点も疑問だ」と話す。

金利スワップ決済では世界最大のクリアリングハウスで、ロンドン証券取引所グループ(LSE)傘下のLCHなどがロンドンに拠点を置くが、クリアリングハウスのどこかが、シティー(ロンドンの金融街)を去ることになれば、銀行とブローカーもスタッフや業務の一部を近くに移転せざるを得ないかもしれない。

独立系シンクタンクの「オープン・ヨーロッパ」のラウル・ルパレル氏は、クリアリングハウスが英国を去れば、他の雇用の移転につながる「ドミノ効果が広がる」との見方を示した。

原題:Brexit Land Grab Moves Clearing From Market Niche to Limelight(抜粋)

John Detrixhe, Will Hadfield

最終更新:8月4日(木)12時58分

Bloomberg