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【体操】転倒・内村 足首故障の深刻度を追う

東スポWeb 8月5日(金)5時14分配信

【ブラジル・リオデジャネイロ発】絶対王者がまさかの絶不調だ。リオ五輪体操男子日本代表が3日(日本時間4日)、団体予選(6日)を想定した初のポディウム練習を本番会場で行ったが、エース内村航平(27=コナミスポーツ)が最終種目の床運動でまさかの転倒。さらに別の技でも尻もちをつくという悪夢のような光景が広がった。これには関係者も口をアングリ。キングに何が起こっているのか? 取材を進めると、団体金メダルに暗雲が漂い始めていることがわかった。

「ええっ…」

 その瞬間、会場がどよめいた。予選の最終種目となる床運動。内村は同種目を得意とするだけに、きれいにまとめてくれるだろうと誰もがそう信じて疑わなかった。ところがだ。冒頭の後方宙返り3回半ひねりからの前方宙返り1回半ひねりにいく際、床に倒れるようにバタリ。そしてフラフラした状態の中、今度は前方宙返り2回半ひねりでも尻もちをついた。その後は何とか踏ん張ったものの、演技を終えると両ヒザに手をつき「ゼーハー」と肩で息をつく場面も。もはや事件、事故レベルといった光景に場内も騒然。一体どうしたのか。

 団体メンバーの他の4人より遅れて姿を現した内村はこう説明した。「普段は通しで演技をするとき、終わった後に練習はしない。でも、前半にやってしまったので床に響いたところはある。試合では余計な練習はしないので問題はない。今日だけのことであり、痛いところがあるわけではありません」

 この日はあくまでも練習。新しい器具に慣れるというテーマがあったため、本番さながらの演技をした後に、納得できないところを確かめる必要があった。そこで体力を消耗した部分は確かにあるだろう。

 チームの動揺を抑えるためか、森泉貴博コーチ(45)も「疲れちゃったんでしょう。想定の範囲内です。体調を整えればクリアできるし、何も心配していません」と“火消し”に躍起だった。

 だが、痛いところがないというのは本当なのか。というのも、跳馬の大技リ・シャオペンを披露した際に着地で詰まり、前のめりになったからだ。その後、ケンケン足のような形で歩き、左足首をさするようなしぐさも。

 本紙既報通り、内村は両足首を痛めていた。すでに完治したというが、実は昨年の世界選手権からクセになっているという。もし、ここで再び痛めてしまったとしたら…ダメージが大きい。

 本紙は水鳥寿思監督(36)を直撃した。「跳馬で足首が詰まりましたからね。痛み? そうです。なので床運動の際、蹴りにくかったのはあります。それに体力的にキツいところも重なりました。1回目の練習で、器具も新品。しかも1班ですから。まあ、予選まであと2日間ありますし、器具は問題ない。足首も重大ではないので大丈夫です」

 とはいえ、他のメンバーも決して楽観はできない。山室光史(27=コナミスポーツ)はあん馬で落下し、跳馬では全員微妙な状況だ。

 団体金メダルを獲得した2004年アテネ五輪のメンバーは、ポディウム練習から完璧な演技を披露した。それに比べると、この日の練習は見劣るばかりか不安の募る内容と言わざるを得ない。

 内村をよく知る体操関係者が指摘する。「普段、航平は『緊張しない』と言っているし、その通りクールに演技をやってのけますが、実はメチャクチャ緊張するタイプなんです。それでも成功させてきた経験があるからやれている。本当に緊張しないのは(白井)健三。だから、内村は『健三は異次元』と言うんです。今回も跳馬ではナーバスになっている可能性が高い」

 これまで日本をぐいぐい引っ張ってきた内村が大舞台直前にまさかの失速。エースの不調は他の選手にも影響は大きいだけに何とも気になる。

最終更新:8月7日(日)4時10分

東スポWeb