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独居の親を持つ子には便利な「成年後見制度」 成年後見人の使い込みが問題化

ZUU online 8月5日(金)8時10分配信

認知症の高齢者を狙ってお金を騙し取る手口として、健康食品などを不当に高額な価格で売りつける手口が横行している。こうした高齢者を守る仕組みとして「成年後見」の制度が活用されているが、最近は「成年後見人が本人の財産を勝手に使い込む」という問題も起きている。

■「成年後見」の仕組みとは 契約の「取り消し」もできる?

悪徳業者は、通販利用歴のある顧客リストを名簿業者などから入手し、高齢者(特に女性)を選んで電話をかけたり訪問したりして、製品の購入を勧めてくる。数年前から「特殊詐欺」が社会問題となっているが、現在でも年間約480億円の被害が出ていて、多くの場合が高齢者、特に判断が不十分な認知症高齢者がターゲットになっているのだ。

2002年に始まった「成年後見制度」は、認知症などが原因で物事を十分に判断できない人たちの権利を守る仕組みである。「成年後見人」が本人に代わって、様々な仕事を行う。主に「財産管理」と「身上監護」の2つで、「財産管理」とは、本人が日常生活を安心して送れるように、預貯金や不動産の管理を行うこと。「身上監護」とは、本人の健康や福祉のために、診療・介護・福祉サービスに関する契約を結ぶことだ。

成年後見人は「本人のために契約を結ぶ」と説明したが、逆に本人が勝手に結んだ契約を取り消すこともできる。例えば、認知症高齢者が自分にとって一方的に不利益な内容の契約を結んでしまった場合、成年後見人の権限で取消、つまり初めからなかったことにできる。これは成年後見人が持っている権限の中でも、かなり強力なものと言える。特に本人の財産を守るという点で、遠隔地に住む子どもにとっては心強い制度だろう。

成年後見人は厳正に選ばれるが、第三者の財産を管理することから、厳しい規定が課せられている。成年後見人に就任した時点で、本人の財産目録と年間収支の見込みを家庭裁判所に提出しなければならない。その後も定期的に、財産の収支などについて家裁へ報告する義務がある。報酬額も家裁が決定した額しかもらうことができない。

■「成年後見制度」の問題点 後見人の使い込みに気づけない

成年後見人は、本人の財産の収支状況を家裁に定期的に報告する義務があるが、家裁が収支のチェックを細かくすることはほとんどない。このためかなり少数ではあるが、後見人による財産の使い込みなどの問題が発生している。

例えば、本人の不動産を無断で成年後見人の名義にしたり、第三者に転売したりすることも可能である。また通帳と印鑑を預かっているから、勝手に現金を引き出し、生活にかかる「経費」という形で使うこともできてしまうのだ。

成年後見人が本人の財産を勝手に処分したり使い込んだりした場合には、成年後見人を解任され、損害賠償を請求されたり、業務上横領などで刑事責任を問われたりする。

しかし、財産が不適切に管理されるという事実はなかなか発覚しにくい。使い込みが判明した時点で大半の財産が使われている場合も少なくない。そうなれば、損害賠償請求をしても、ほとんどの財産が戻ってこないことになる。

「成年後見制度」は、一人暮らしの親を持つ子どもにとってとても便利な制度である。親と離れて暮らしている場合、成年後見人が代理人として、責任を持って財産の管理や契約の締結・取消を行ってくれるから安心できる。

しかしこの制度は、成年後見人が良心にのっとってきちんと事務管理をしていることが大前提だ。子どもとしては、成年後見人任せにせず、選定された成年後見人と連絡を密に取り、親の財産の状態を常に把握しておくことが重要である。(行政書士I)

最終更新:8月5日(金)8時10分

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