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「不妊治療するなら、来春からにして」 上司に告げられた…30代女性の思い 「妊活か、仕事か」

withnews 8月8日(月)6時50分配信

 仕事をしながら子どもが欲しい。そう思って妊活に励んでも、誰しも自然に授かるわけではない。でも、いざ不妊治療に踏み出す時、自分が住む街に、設備の整った医療機関がなかったらどうすれば良いのだろう。悩んで出した決断が「会社を休みたい」。前例のない申し出に上司からの答えは――。(朝日新聞国際報道部記者・今村優莉)

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「不妊治療で休みたい」 上司に相談

 「1年半、不妊治療を続けたが授からなかった。より高度な不妊治療を受けるため、札幌の病院に通いたいと休職を申し出たら、来春からでもいいかと言われました」

 北海道の地方に住む30代の女性会社員が不妊治療のために休職すると決めたのは、今年。夏になる少し前だった。
 約2カ月、考えて出した結論だった。

 最初は信頼出来る先輩に相談してみた。「あなたの人生なんだから」と、背中を押してもらった。直属の上司に面談を申し込み、休職を申し出た。

「前例がない」

 上司は驚いた表情だったという。「不妊治療で休むなんて前例がない」。女性は、休職が難しければ退職することも考えているとも伝えた。上司は真剣に聞いてくれているようだった。「辞めて欲しくはない。何とかするからちょっと待って欲しい」。さらに待つこと数週間。来春なら人繰りの調整が出来るとして、休職が認められた。
 
 「古いタイプの会社だと思っていたので休職が認められたのは感謝しています。でも正直言うと、辛いです。少しでも早く休んで治療したかったから……」と女性は言う。ただ、会社の事情を考えると、それ以上は高望みだとも思った。
 
 約10年励んで来た仕事は大好きだ。誰よりも仕事に打ち込んできた自負があるし、順調にキャリアを積んできたと思う。周りからは「仕事一番人間だね」と言われる。休日に仕事がふってくることも少なくないが、すべてこなしてきた。
 
 でも。
 結婚して約2年。夫との治療は楽ではなかった。

子作りが目的の性生活、セックスレスに

 もともと月経が順調な方ではなかった。排卵障害があることが分かり、新婚からまもなく、不妊治療を視野に産婦人科に通い始めた。
 
 結婚当初住んでいた街は、大都市ではないが自宅近くに人工授精まで対応している産婦人科があった。そこで「タイミング療法」からスタートした。毎月1度やってくる排卵期を医師に見極めてもらい、その日に合わせて夫婦生活を持つ。タイミング療法は、不妊治療の第一歩とも言える。

 重視するのは、愛情でも雰囲気でもなく、タイミングだ。そのタイミングに性交しないと、また翌月の排卵日まで待たないとならないのだ。だが、そんな生活を1年近く続けるうちに夫は義務感を伴う性交そのものにストレスを感じ、セックスレスになった。夫婦関係は破綻しかけた。
 
 約1年後、人工授精に「ステップアップ」した。やはり毎月1度の排卵日に、あらかじめ採取してあった夫の精子を注入する方法だ。2回やっても着床に至らなかった。2回目が不発に終わった後、異動が決まり、夫と別の街へ単身赴任することになった。

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最終更新:8月8日(月)10時36分

withnews

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