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トヨタは円高で減収減益も「将来への種まきはブレずにやっていく」

MONOist 8月5日(金)6時25分配信

 トヨタ自動車は2016年8月4日、東京都内で会見を開き、2016年度(2017年3月期)第1四半期(4~6月期)連結決算について説明した。連結販売台数は前年同期比で2.8%増の217万2000台と好調だったが、急激に進んだ円高など為替変動の影響により、売上高が同5.7%減の6兆5891億円、営業利益が同15%減の6422億円に落ち込んだ。

【トヨタ自動車の2016年度第1四半期の連結販売台数などその他の画像】

 営業利益では、前提としていた1ドル108円以下に円高が進行するなどの為替変動影響が前年同期比で2350億円の減益要因となった。しかし。原価改善や営業面の努力によって1450億円のもうけを積み増すことで、最終的には1137億円の減益にとどめることができた。

 為替の影響は大きかったものの「第1四半期は、自動車販売はおおむね好調で、期初の通期見通しからみても良いパフォーマンスだった」(トヨタ自動車 常務役員の大竹哲也氏)という。実際に各地域の販売台数は、日本市場が「プリウス」「シエンタ」「パッソ」といった新型車がけん引し前年同期比4.7%増の51万1000台、北米市場がトラック、SUVへのシフトがあったものの同2%減の71万5000台、欧州が同7.7%増の22万2000台、アジアがインドネシアとフィリピンが好調で同17%増の38万4000台となった。唯一、その他市場は、原油安の影響を受けた中近東やアフリカで大きく減少し同10.8%減の34万台になった。

●英国のEU離脱決定による円高で緊急収益改善の取り組みを開始

 現在も続いている円高に対応するため、前提となる為替レートを変更するとともに、業績予想も下方修正した。2016年度通期の連結業績予想は、売上高が26兆円、営業利益が1兆6000億円。税金等調整前当期純利益が1兆7800億円、当期純利益が1兆4500億円となった。期初予想に対して、売上高で5000億円、営業利益で1000億円の減少となる。

 為替レートは、第1四半期の1ドル108円から、第2四半期以降は1ドル100円に変更。通期では1ドル102円となる。ユーロも1ユーロ120円から113円としている。

 営業利益が1000億円減少するものの、この数字は為替などによる2150億円のマイナス影響を、原価改善と営業面の努力、諸経費の減少などによる1150億円のプラスで押しとどめた結果だ。大竹氏は「英国のEU離脱が決まった時に円高が進行したが、その時点から緊急収益改善の取り組みを始めており、その結果がプラス1150億円という数字になっている。2016年4月から導入したカンパニー制の効果も出ている」と説明する。

 連結販売台数の見通しは総計890万台で変更はない。ただし、中近東での減少が顕著なその他市場を12万台減の136万台にする一方で、日本市場は据え置きの224万台、北米市場は3万台増の288万台、欧州市場は3万台増の95万台、アジア市場は6万台増の147万台として構成を変更した。北米市場は第1四半期に微減となったが、「2016年7月に北米市場におけるトラック、SUVの構成比が61%まで高まった。このトレンドに対応してトラック、SUVの供給を増やすので、販売台数は伸ばせるだろう」(大竹氏)という。また、熊本地震をはじめさまざまな生産のサプライチェーンに大きな影響が出ている日本市場については、「生産で8万台、販売で6万台、収益に換算して700億円程度の影響が出ている。現在は挽回生産に取り組んでおり、2016年内には完了できるだろう」(同氏)としている。

 また、トヨタ自動車としては、2016年の世界全体の自動車市場は2015年とほぼ同程度を維持し、2017年以降は年率で数%ずつ伸びて行くという見通しも示した。

 なお、今回の業績予想変更に合わせて、研究開発費が100億円減の1兆700億円、設備投資が同100億円減の1兆3400億円となった。大竹氏は「社長の豊田(章男氏)が言った『3つの意志』に変わりはない。自動運転などの将来に向けた種まきを、ブレずにしっかりやっていく」と述べている。

最終更新:8月5日(金)6時25分

MONOist