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ヤギはめったに食べないよ!:沖縄のITエンジニア事情

@IT 8月5日(金)6時10分配信

 こんにちは。「geechs(ギークス)」の伊藤敦史です。

 私は、2015年6月にgeechsの研究開発拠点「CRUD Lab.(クラッドラボ)」立ち上げのために沖縄県にIターンしました。

【その他の画像】食べないでね(ヤギ子)

 出身は新潟県村上市という日本海に面した小さな城下町です。大学入学と同時に上京し、以後18年間、地方出身者の一人として東京で生活してきました。そして36歳のある日、東京から約1600キロ離れた日本最南端の県「沖縄」に移住しました。

 出身地新潟は東京と新幹線で約2時間程度の距離なので、物理的にも文化的にも「ほぼ同じ」という感覚でした。上京した際も、「都会だなぁ」という印象以外は“違い”を感じませんでした。

 しかし、沖縄では多くの“違い”を発見し、いまだに新しい“驚き”があります。ここでの生活は、まさに「移住」と言うべきもので、「大きな決断をしたものだな」と今さらながら思います。

 「U&Iターンの理想と現実:沖縄編」は、外側からは見えいにくい沖縄の魅力を、「ライフスタイル」「ワークスタイル」、そして私の職務分野である「エンジニアスタイル」の側面からセキララにレポートします。皆さんが今後の働き方やキャリアパスを考える際の参考になれば幸いです。

●沖縄ってどんなところ?

 沖縄県は、沖縄本島を中心とした113(!)の島で構成された日本最南端の県です。

 気候は温暖で、日本で唯一の亜熱帯性気候の地域です。地理的、歴史的に外国文化の多大な影響を受け、非常にユニークな文化圏を形成しています。

○沖縄の歴史

 沖縄はかつて「琉球王国」と呼ばれる、王様のいる「国」でした。世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つ「首里城跡」は、国王が住んでいた城です。

 明治時代に日本に組み込まれ、「沖縄県」になりました。

 第二次世界大戦では、日本で唯一の現地住人を巻き込んだ地上戦が行われ、敗戦後、1972年の本土復帰まで、米国の統治下にありました。

○国際的観光地沖縄

 沖縄には「万国津梁(ばんこくしんりょう)」という言葉があります。「世界の架け橋」という意味で、琉球王朝時代の15世紀に国が示したミッションのようなものです。

 「地理的立地を生かし、東南アジアを中心とした交流の架け橋の役割を担って、共に栄えていこう」という意志は現代にも引き継がれており、県の施策で国際会議の誘致や海外OJT、近隣国との商談マッチングなどの事業が推進され「世界・アジアと日本のHUB」としての沖縄ブランドを構築しています。

 沖縄は日本有数のリゾート地でもあり、美しく清潔な海を目当てに国内外から多くの観光客が訪問します。

 2015年の統計では、1年間に約770万人の観光客が訪れ、そのうち約20%が外国からの訪問客です。主要な地域は中国、台湾、韓国で、今後も国外からの流入は飛躍的に増加していくとみられています。

 那覇空港には国際線ターミナルがあります。中国、台湾、韓国の各都市へ空路が就航しており、2~3時間程度でアクセスできます。近年ではLCC(格安航空会社)が参入し、運賃も安くなっています。

 アジア圏の観光客にとって、沖縄は「日本製品を購入できる、自国から最も近いきれいな海があるリゾート地」です。

 県内の各地にあるショッピングモールや量販店には免税カウンターが設置されています。国内唯一の路面型DFS(免税店)が那覇の新都心にあったり、アジアの富裕層をターゲットにしたリゾートウェディングを企画する企業があったりする他、全国有名店の沖縄進出も盛んです

●沖縄の言葉

 沖縄の方言全般を「ウチナーグチ」と言います。

 「うちなー」は本来は沖縄本島を指しますが、今では沖縄県のことを意味します。「うちなんちゅ」「うちなーんちゅ」は沖縄県出身の人のこと、「やまとんちゅ」は本土(県外)出身者のことです。

 「郷に入っては郷に従え」で、ウチナーグチを喋ると地元の人との距離が近くなります。私は積極的に勉強しています。

○今日から使える「ウチナーグチ」7選

 職場や客先で使えるウチナーグチを紹介しましょう。

はいさい / こんにちは(男性)
はいたい / こんにちは(女性)
にふぇーでーびる / ありがとうございます
うたいみそーちー / お疲れさまでした
なんくるないさ / どうにかなるさ
ちゃーびらさい / おじゃまします
あがー、あがっ / 痛い

 私はIターン当初、地元銀行のATMが話す(?)「にふぇーでーびる」の意味が分かりませんでした……。

●沖縄の気候

 沖縄は「いつでも天気が良い」イメージがあります。

 しかし実情は、雨の降らない日は本土より少ないぐらいです。さらに「島の気候は変わりやすい」の例に漏れず、さまざまな表情を見せてくれます。

 朝起きたら大雨が降っていたけれども、出勤するころにはカンカン照り、帰宅時間になったらザーザーと降りだし、コンビニで傘を買ったのに外に出たらカラッと晴れている――こんなのは、いつものことです。

 夏の日差しはとても強く、日焼け止めが欠かせません。しかも、強いものをムラなく塗らないと、“まだら”になってしまいます。「肌はちょっと黒いくらいが健康的」なんて意見もありますが、ほどほどにしておかないと大変なことになります。

 冬は、降雪こそありませんが、グレイスカイ(薄曇り)の日が続き、厳しい海風が吹きます。気候の変化に適応していくのが実は結構大変です。

●沖縄の服装

 皆さんは「かりゆし」をご存じでしょうか。

 公の場で着用できる、開襟の半袖シャツです。伝統の柄をあしらったものが多く、スーツのような感覚で、スラックスやスカートと合わせて着用します。

ギークス社員の通勤着

 ギークスのエンジニアたちは、どのような服装で仕事をしているのでしょうか。

 基本は、写真のような「半袖、短パン、島ぞうり(ビーチサンダル)」です。皆、元はヤマトンチュですが、かなり沖縄になじんでいるファッションですね。

 私は汗っかきなので、トップスの着替えを持っています。また、室内外の温度差が激しいので、女性社員はカーディガンを携帯しています。

●沖縄の食べ物

 沖縄は外食文化が発達しています。

 観光客向けのお店も多いのですが、個人経営で個性的な定食屋が多く、お客さんも老若男女さまざまです。

 「ゴーヤチャンプルー」「ゆしどうふ」「ポーク玉子」などの沖縄ならではの料理は、家庭でも作りますが、定食屋さんで食べることも多く、家族で食べに来ている風景をよく目にします。

○Aランチ

 「Aランチ」は、沖縄の定食屋さんによくある定番メニューです。「ランチ(昼食)」なのに、朝でも夜でも食べられます。

 「揚げ物」「スパム」「天ぷら」などのカロリー高めのおかずを盛り合わせたサービス精神旺盛なプレート定食で、お店によってはさらに「刺身」も追加されます。

 量に応じて「Bランチ」「Cランチ」もあります。Aランチ=大盛り、Bランチ=普通盛り、Cランチ=小盛り、なのですが、沖縄の小盛りは他地方の普通盛り~ちょっと大盛りくらいなので、注文の際は気を付けてください。

○小ネタ:地元の人はヤギを食べない

 私は「ヤギ料理は沖縄のソウルフード」だと思っていたので、「移住したらぜひともヤギを食べよう」と、沖縄拠点設立直後のキックオフをヤギ料理専門店で行いました。

 新鮮な「ヤギの刺身」や「ヤギ汁」は、独特の香りはあれどとてもおいしく、喜んでくれることを期待して、地元育ちの人にヤギを食べたことを話しました。しかし……

「ヤギ食べたことないです……というか食べようと思ったことないです」「それ食べられるんだったら、あんたウチナンチュだわ」

 とビミョーな反応をいただきました。どうやら、ヤギ食は「離島」の文化で、沖縄本島ではめったにヤギは食べないようです。離島それぞれに、独自の食文化があるんだと思います。

●沖縄はチャンプルー

 東京から沖縄にIターンして、1年と少したちました。

 沖縄は本当に奥が深くて、いまだに日々発見があります。そのたびに思うのは、「古今東西の人や物事がチャンプルー(ごちゃまぜ)な沖縄は面白い」ということ。

 本記事で、その魅力を少しでも感じていただければ幸いです。U&Iターンの理想と現実:沖縄編、次回は「ワークスタイル」をお届けします。

●筆者プロフィール geechs エンジニア 伊藤敦史:2015年6月、CRUD Lab.(クラッドラボ:geechsの沖縄開発拠点)立ち上げのため、妻子と共に沖縄へ移住。エンジニア育成と研究開発に従事する。沖縄の寛容な人と大地に見守られ、健やかに成長中。好きな言葉は“お前が作れば、やってくる(If you build it, he will come.)”

最終更新:8月5日(金)6時10分

@IT