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Windows 10、1年目の大型更新「Anniversary Update」は何が変わったか?

@IT 8月5日(金)6時10分配信

 2016年8月3日、Windows 10の新しいビルドである「Windows 10 Anniversary Update」がリリースされ、Windows Updateなどを通じて公開が開始された。その概要をまとめておく。

【その他の画像】Windows 10更新アシスタントとは?

●2回目のメジャーアップデート、「Windows 10 Anniversary Update」

 Windows 10では、以前のWindows OSと比較すると製品のバージョンアップの方針が変更され、年に何度か大幅な機能向上を図るためのメジャーバージョンアップが行われることになっている(以下の記事参照)。

 8月3日に公開され配布が始まった新リリースは「Windows 10 Anniversary Update」と呼ばれている。バージョン番号は「Windows 10 バージョン 1607」(2016年7月という意味)、ビルド番号は「14393」となっている。2015年11月にリリースされた「Windows 10 バージョン 1511(ビルド10586)」に続く、2回目のメジャーバージョンアップである。バージョン1511の新機能については以下の記事を参照していただきたい。

 Windows 10の最初のリリースから1年後ということで「Anniversary Update」という名称が付いているものの、特にそれを意識した機能が用意されているわけではない。基本的には幾つかの機能追加と各部のリファイン、セキュリティ機能の向上などが主な改善点である。

 もともと、Windows 10は年に何度かメジャーバージョンアップすることになっており、この時点で完成していた機能や変更点などを反映したものがAnniversary Updateとしてまとめられている。

 ちなみに開発の進捗状況は「Insider Preview」プログラムに参加していれば知ることができる。今回のAnniversary Updateでは、7月の中頃までに開発されていた機能が反映されているようである。

●Windows Updateを使って更新する

 既にWindows 10を利用している場合、Windows 10 Anniversary Updateを利用するには特別な設定は不要である。基本的にはWindows Updateを介して自動的にユーザーに配布され、システムが自動的にアップデートされるようになっているからだ(冒頭の関連記事参照)。

 もしWindows 10 Pro/Enterpriseを使っていて、Anniversary Updateが自動的に適用されないようなら、[設定]アプリの[更新とセキュリティ]-[詳細オプション]にある[アップグレードを延期する]のチェックがオフであることを確認する。

 Windows 10では、従来のWindows OSとはシステムの更新の方針も変更され、原則としてユーザーはこのメジャーバージョンアップを回避することができない。

●「メディア作成ツール」でインストールイメージを入手する

 自動的に更新されない場合は、Windows 10のインストール用USBメモリやISOファイルを入手して、手動でアップグレードシーケンスを開始してもよい。

 Windows 10のライセンスを所有していれば、上記のUSBメモリあるいはISOイメージから起動してWindows 10をクリーンインストールすることも可能だ。

 なお、この「メディア作成ツール」を使ってインストール用イメージをダウンロードする場合、状況によってはイメージファイルのバージョンがまだ「ビルド14393」に更新されていないことがある。そのうち更新されるので、何度かトライしていただきたい。

 ダウンロードしたイメージのビルド番号を確認する方法は幾つかあるが、中に含まれているファイルのバージョン情報を調べるのが簡単だろう。作成したUSBメモリやISOファイルのルートにある「setup.exe」ファイルなどのプロパティ画面を表示させ、[詳細情報]タブでバージョンをチェックする。

●「Windows 10更新アシスタント」を利用して更新する

 以上の他にも、「Windows 10更新アシスタント」を使って新しいバージョンに更新するという方法もある。

 Windows 10上でこのWebサイトを開き([設定]アプリの[更新とセキュリティ]-[Windows Update]画面にある[詳細情報]リンクをクリックしてもよい)、[Anniversary Update を入手する]というリンクをクリックする。

 すると「Windows 10更新アシスタント」ツールがダウンロードできるので、これをクリックして起動する。後は指示に従ってシステムを更新する。

 なおWindows 10 Anniversary Updateへ更新すると、既存の復元ポイントや以前のバージョンに戻すためのイメージなどは全て削除される。復元用のイメージは新しく作り直されるので、(30日以内なら)現在使用中のWindows 10には戻せるが、それよりも前の状態には戻せなくなる。2016年7月末頃に駆け込みで(無償で)Windows 10に更新したユーザーは注意していただきたい。アップグレード後まだ30日過ぎていなくても、Anniversary Updateへ更新すると、以前のWindows 7や8.1には戻せないということである。

 更新に失敗してシステムが起動しなくなる可能性もあるので、できることなら更新前にフルバックアップを取っておくのがよいだろう。バックアップについては、以下の記事を参照していただきたい。

●Windows 10 Anniversary Updateの機能改善点

 Windows 10のバージョン1511から、今回のAnniversary Update(バージョン1607)における変更点を次にまとめておく。

○スタートメニューの改善

 スタートメニューの表示方法やレイアウトなどが変更され、[スタート]ボタンを押しただけで全てのメニュー項目があらかじめ展開表示されるようになっている。以前は、スタート画面を表示後、[すべてのメニュー]をクリックしないとスタートメニューが表示されず、少し面倒だった。

○「ダークテーマ」のサポート

 従来のUIデザインでは画面が明るすぎるというユーザーのために、「ダークテーマ」カラーが追加された。ウィンドウの背景が黒くなるだけであるが、場合によってはかなり見やすくなる。

○更新時間帯のスケジューリング

 Windows Updateによって更新プログラムの用意ができていることが確認されると、通常は自動的に更新プログラムがインストールされ、さらに勝手にシステムが再起動してしまうことがある。これを抑止するため、以前のWindows ではダウンロードはするが、インストールは手動にする、といった運用をしていた。

 これに対してWindows 10ではセキュリティなどを考慮して、ほぼ自動的に更新プログラムをインストールするようになっている。インストールを拒否することはほぼ不可能だ。だがこれでは勝手にシステムが再起動してしまうことになり、ユーザーにとってはやっかいである。

 そこでWindows 10 Anniversary Updateでは、更新プログラムの適用を許可/禁止する時間帯を設定できるようにした。

 上の画面で[アクティブ時間の変更]をクリックする。すると次のように、PCを業務に使用する時間帯を設定できる。デフォルトは朝8:00~夕方5:00となっており、この時間中にPCの再起動が要求されることはない。

○タスクバーのカレンダーにおけるスケジュールサポート

 タスクバー上にある日付表示をクリックするとカレンダーや時計が表示されるが、この部分がUWPアプリの「カレンダー」と連動し、今日の予定を表示したり、新しい予定を追加したりできるようになった。

○タスクを複数の仮想デスクトップに同時に表示させる

 マルチデスクトップとは、多数のアプリを複数の仮想的なデスクトップグループに分けて表示させる機能である(「複数の仮想画面を実現するマルチデスクトップ」参照)。

 だが、場合によっては起動したはずのアプリのウィンドウが別のデスクトップに表示されてしまい、見つからなくなることもある。Windows 10 Anniversary Updateのマルチデスクトップ機能では、1つのアプリを全デスクトップに同時表示させる機能が追加されている(以前はどれか1つの仮想デスクトップにのみ表示)。

○Microsoft Edgeの拡張機能サポート

 Microsoft Edge(以下「Edge」)では「拡張機能」がサポートされ、ユーザーは新しい機能をEdgeに追加できるようになった。現在利用できる拡張機能は非常に少ないが、今後の増加に期待したい。

 以上の他にもWindows 10 Anniversary Updateには新機能が幾つかあるが、それらについては今後、別稿で紹介する。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]

最終更新:8月5日(金)6時10分

@IT