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トヨタが自動運転タクシーを開発へ、「タクシーの日」に協業発表

MONOist 8月5日(金)17時10分配信

 トヨタ自動車と全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)は2016年8月5日、“未来の日本のタクシー”の開発/導入に向けた協業を検討するための覚書を締結したと発表した。同日は、大正元年に日本で初めてタクシーが走った日として「タクシーの日」になっており、発表はこの日に合わせた形になる。

【「次世代タクシー」の内装などその他の画像】

 両者は今後タスクフォースを立ち上げ、定期的な議論を通じて大まかに分けて3つの点で内容を具体化していく。

 1つ目は誰にでも優しいユニバーサルデザイン(UD)タクシーの普及である。トヨタ自動車は2017年度内の発売をめどに、“おもてなしの心”を反映したデザインを採用した次世代タクシーを開発している。この次世代タクシーは、低床化と大開口スライドドアによる優れた乗降性と、車いすでの乗車を考慮した広い室内空間、さらに街中での取り回しの良さも兼ね備えており、ユニバーサルデザインタクシーの要件にかなう車両になっている。

 2つ目は、顧客の笑顔に資する「ホスピタリティ」「安全・安心」「利便性」を向上させる車両仕様の策定や、周辺システムなどの構築だ。具体的には「先進安全装備の充実」「利用者の利便性の向上」「多言語対応への協力」について検討を進める。

 3つ目は、タクシーへの自動運転技術活用を進めることを目的とした、東京地区における先行実験に向けた双方向の協力である。タクシー乗務員は今後、高齢者や女性、新卒、外国人など、さらに多様化していく可能性が高い。そのタクシー乗務員の運転やサービスの負担軽減に向けて、自動運転技術の活用を目指す。

 現在、トヨタ自動車は「モビリティ チームメイト コンセプト」に基づく自動運転技術の開発を進めている。そこで、タクシーの運用から得られる交通や道路環境の情報収集と解析を行い、トヨタ自動車の自動運転技術開発に活用する。また、開発した自動運転技術を使ったタクシーの実験的な営業で相互協力を進めるとしている。

 トヨタ自動車は2016年5月、米国ベンチャーのUber Technologies(Uber)とライドシェア領域における協業を検討する旨の覚書を締結した。このとき「海外でライドシェアビジネスが拡大している国/地域で試験的な取り組みを始めながら協業を模索する」としており、日本国内での展開については言及がなかった。

 今回の全タク連との協業は、国内のモビリティサービス市場において、Uberなどのライドシェアではなく、多くの車両を納入しているタクシー業界を重視するというトヨタ自動車の方向性を示すものとみられる。

最終更新:8月5日(金)17時10分

MONOist