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Bank Band、Mr.Children、クリープハイプ、スガシカオら熱演「RAF×ap bank fes」初日

音楽ナタリー 8月5日(金)23時6分配信

一般社団法人APバンクとReborn-Art Festival実行委員会が主催するライブイベント「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」が、7月29~31日に宮城・石巻港雲雀野地区にて開催された。

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これは2017年夏に宮城県石巻市および牡鹿半島エリアにて行われる、芸術と食と音楽のイベント「Reborn-Art Festival」のプレイベントとして実施されたもの。この記事では29日の前夜祭を経て行われた、初日30日の模様をレポートする。

開場中には渡波獅子風流塾による獅子舞とおはやし、石巻ジュニアジャズオーケストラによる軽快なジャズナンバーが観客の胸を躍らせる。場内がすっかり温まったところで、ステージにBank Bandが登場した。SUGIZO、渡波獅子風流塾を迎えたプレイヤー陣と、石巻メンネルコール、石巻市立桜坂高等学校合唱部という地元のコーラス隊が大所帯でセッション。さらに手代木花野率いるダンサー陣とATSUSHI(Dragon Ash)がコンテンポラリーダンスでステージを彩る。最後にSalyuが登場し、彼らと共に「to U」を歌唱し、イベントのオープニングを飾った。彼らのパフォーマンスが終わると、ステージには石巻市長の亀山紘氏が姿を現し、高らかに開会を宣言。そしてBank BandとSalyuによるアクトでイベントは幕を開けた。

バンドアクトとして最初に登場したクリープハイプは、尾崎世界観(Vo, G)が柔らかくアコースティックギターを弾く「傷つける」でライブをスタート。8月10日にリリースするニューシングル「鬼」も披露して会場を盛り上げた。MCで尾崎は「昔からずっと観ていたフェスに出られるのがうれしくて」と出演の喜びを語った。続くBank Bandのステージでボーカルを務めた黒木渚は「灯台」「大予言」「アーモンド」を披露し、朗々とした歌声で観客を魅了した。黒木に代わってステージに登場した藤巻亮太は「8分前の僕ら」「日日是好日」のあと、レミオロメンの「雨上がり」を熱唱する。晴れ渡った空に響くさわやかなサウンドに合わせ、オーディエンスは一斉に腕を上げていた。

ACIDMANは、大木伸夫(Vo, G)の弾き語りによる「リピート」で静かにライブを開始。MCでは大木が宇宙や地球の誕生についての話をしながら命の尊さを語る場面もあった。「Reborn-Art SESSION」と銘打たれたセッションコーナーにはSalyu、大森靖子、ギタリストの名越由貴夫が登場。彼らは東京事変「閃光少女」、Lily Chou-Chou「飛べない翼」、中島みゆき「最後の女神」のカバーを披露し観客を喜ばせる。Salyuがステージを去ったあと、大森はBank Bandを従えて自身の楽曲である「さようなら」を情感たっぷりに歌唱した。

会場の気温がピークに達した頃、「名もなき詩」で始まったMr.Childrenのライブでは、桜井和寿(Vo, G)が炎天下の観客を気遣い「すごい暑いでしょ。大丈夫ですか?」と声をかけ、「みんなと同じ気分を味わうには、ここらへんがいいのかな」とステージ前方の日なたへと進み出る一幕も。「Tomorrow never knows」「しるし」と披露したあと、桜井は「初めての石巻での『ap bank fes』いかがですか? ここまで来るのは大変だったでしょう。でもその分、めいっぱい楽しんでもらおうと思ってます」と語りかけた。

後半では「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」「innocent world」とヒット曲を連発。最後に「嫌なことがあっても誰かがあなたの背中を押している、足音を聞いている。孤独じゃないよ、ということを歌った曲をお届けします」という桜井の言葉に続いて「足音 ~Be Strong」を届けた。

白いワンピース姿でステージに姿を現したCoccoはBank Bandを従え、しなやかに体を揺らしながら歌い上げていく。1997年リリースの1stアルバム「ブーゲンビリア」に収録されている「遺書。」の歌唱前には、照れくさそうに「とっても大切な人に贈った歌です。20年経った今も変わらず愛してます」と思いを語った。さらに新曲「ひばり」を初披露。徐々に壮大になっていく楽曲を伸びやかに歌い上げた。

続くスガシカオは「楽屋で最強のポケモン……いや、ミュージックモンスターを捕まえました」と櫻井和寿を呼び込む。するとサングラスをかけた櫻井が姿を見せ、スガから「そのサングラス、なんなの?」とツッコまれると、「ダブルシカオで」と場内の笑いを誘っていた。そして2人はkokuaの楽曲「夢のゴール」を歌唱した。

「ap bank fes」初出演のZAZEN BOYSは「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」「COLD BEAT」「破裂音の朝」などを演奏し、スリリングなサウンドとパフォーマンスで会場を圧倒する。その一方、向井秀徳(Vo, G)は「小林武史さんに体育館裏に呼び出されて、『はいっ!』て言いました(笑)」と冗談を飛ばしてオーディエンスを笑わせた。

その後は、この日最後のBank Bandのステージへ。ここでは櫻井和寿がボーカルを務める。彼は中島みゆき「糸」を披露したあと、新たなカバー曲として「僕の大好きな曲です。大事な何かを失った男が、そこから旅立とうとする歌だと僕は解釈しています」と紹介し、BUMP OF CHICKENの「ロストマン」を熱唱した。最後は「このフェスのためにBank Bandが作った曲です」という新曲「こだま、 ことだま。」で締めくくられた。

「日本で一番石巻が好き!」という挨拶でライブを始めたWANIMAのメンバーはステージ上を駆け回り、エネルギッシュなステージングを見せる。彼らは、会場が海の近くであることから、漁師をしていたKENTA(Vo, B)の祖父への思いをつづった「1106」をエモーショルにパフォーマンスしたのち新曲「ともに」を届けた。続くGAKU-MCは「ap bank fes」の「ap」には“オーディエンスパワー”という意味があると訴え、シンガロングやハンドクラップなどをオーディエンスに促しながら軽やかに「昨日のNo, 明日のYes」など3曲をパフォーマンスした。

夕暮れどきのアクトを務めたSPECIAL OTHERSの1曲目「I'LL BE BACK」では、ATSUSHIが登場して優雅なダンスを披露し、楽曲の世界観をさらに盛り上げた。石巻の美しい夕焼けと4人が鳴らす圧巻のインストゥルメンタルを、オーディエンスは身体を揺らしながら心地よさそうに楽しむ。ラストナンバーの「Laurentech」で4人は、観客の様子を見渡しつつ笑顔で演奏を繰り広げていた。

金子ノブアキはスモークがステージを覆い尽くす中、「Take me home」でライブを開始し、その後もステージ後方のスクリーンを利用して楽曲のイメージにあわせた映像を映すなど暗くなった会場を利用したステージングで観客を魅了。続くSUGIZOは「皆さんの火照った体を浄化し、あちらの世界へ旅立ちましょう」と言い、サンプリングした波の音にあわせて静かにギターを奏で始る。観客は彼が奏でる優しい音色にじっと聴き入り、体を休めた。

初日のラストを飾った七尾旅人は、サウンドチェックでMr.Childrenの「抱きしめたい」をカバーして観客を沸かせる。ライブ本編では「震災直後の東北に通う生活の中で生まれた曲を歌います」という言葉のあと、自身が被災地で感じたことを語りながら「七夕の人」「Memory Lane」「帰り道」を披露。七尾の被災地への思いがあふれた演奏に、オーディエンスはじっくりと聴き入った。アンコールでは七尾が客席に飛び込み、観客にリフトされながら歌う場面も。会場が一体感に包まれたまま、初日の幕が閉じられた。

※「kokua」のoはマクロン(長音記号)付きが正式表記

ライブ写真撮影:YOSHIHARU OTA / TAKEHIRO GOTO / TETSUYA YAMAKAWA
会場写真撮影:YUKIHIDE NAKANO / TOYOKO IWAHASHI / SHOUICHI SUZUKI

最終更新:8月5日(金)23時6分

音楽ナタリー