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「RAF×ap bank fes」2日目で櫻井和寿、小林武史×OAUほか豪華コラボ続々

音楽ナタリー 8月5日(金)23時7分配信

7月29~31日に宮城・石巻港雲雀野地区にてイベント「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」が開催された。この記事では31日に行われた2日目公演の模様をレポートする。

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初日に続いて行われたBank Bandと地元アーティストとのオープニングセッションののち、2日目のBank Band最初のボーカリストとして登場したのは佐藤千亜妃(きのこ帝国)。岩手県出身の彼女は「東北のフェスに出れてうれしいです」と喜びを口にし、透き通るような歌声で「キスをする」「猫とアレルギー」の2曲を歌唱した。

赤い公園は柔らかなサウンドが響く「Canvas」でライブをスタートさせ、佐藤千明(Vo)の「石巻ー!」という絶叫から「NOW ON AIR」へ突入。アグレッシブなプレイと迫力あるサウンドで観客の心を一気に惹きつけ、その後は「黄色い花」「KOIKI」を披露。最後は「ふやける」を演奏し、爆発するようなテンションでオーディエンスを圧倒した。

その後のBank Bandのステージには、まず安藤裕子が登場。銀杏BOYZ「なんとなく僕たちは大人になるんだ」のカバー、「問うてる」に続き、MCで「大切な人が笑っているという毎日が、ずっと皆さんに続くことを願ってます」と語ったあとは「Touch me when the world ends」を丁寧に歌った。続いてナオト・インティライミは被災地復興のボランティアとして石巻に通っていたことを明かし「一緒にがんばりましょう」と語りかけ、涙を浮かべながら「未来へ」を熱唱。最後は地元のキッズダンサーたちと「カーニバる?」を披露した。

ストレイテナーは今回のオファーを受けたときのことを回想しながら「『どんな場所でもどんなスタイルでも出ます』と言ったんだけど、来てみたらめちゃくちゃすごいじゃないですか!」と感激した様子を見せる。さらに石巻について「何度も来たくなる大好きな街です」と思いを告げ、「Melodic Storm」「原色」など計6曲を演奏した。この日の「Reborn-Art SESSION」には佐藤タイジ(シアターブルック)、Salyu、津野米咲(G / 赤い公園)。3人はBank Bandの演奏に乗せて、赤い公園「風が知ってる」やシアターブルック「ありったけの愛」などを披露したのち、今年4月に他界したプリンスの楽曲「Purple Rain」をエモーショルに届けた。

15時少し前、一番暑い時間帯に始まったのはMr.Childrenのライブ。「名もなき詩」「Tomorrow never knows」のあと、櫻井和寿は「相当暑いよ! でも気温だけじゃなく、こっちのほうも演奏のほうも熱いよ」と、拳で胸を叩きながらオーディエンスを励ました。櫻井が絞り出すような声で歌い上げた「HANABI」、中川敬輔(B)の柔らかなベースラインが響いた「PADDLE」と、夏の空に次々と名曲を放っていく。

4人が笑顔で演奏した「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」、観客がいっせいに手を振った「innocent world」のあと、最後に披露されたのは「足音 ~Be Strong」。途中、桜井は「もっと強くなっていける」と歌いながら右の拳を力強く掲げ、曲のメッセージをオーディエンスに届けていた。

「ミスチルはこの空を覆い尽くすような歌だったけど、俺はみんなをデッカい4畳半に連れて行くので、よかったら俺の部屋に来てくれよ」と語りかけたハナレグミは、家族との日々をつづった「家族の風景」、牧歌的な「明日天気になれ」、RADWIMPSの野田洋次郎が作詞作曲を手がけた「おあいこ」をしっとりと歌った。ひときわソウルフルな歌声を響かせたのはMISIA。彼女は「5年4カ月前の3月11日、14時46分、大きな大きな地震が起きました」と震災について、噛みしめるようにゆっくり語り、「東北の皆さんに笑顔が届く復興を願っています」というメッセージと共に、復興への願いを込めた楽曲「明日へ」を力強く歌い上げた。

YEN TOWN BANDのライブは「Sunday Park」でしっとりと始まり、「Mama's alright」で一気に盛り上げる。ハイクオリティなバンドアレンジと裏腹に、Charaが小林武史のMCに鋭いツッコミを入れる場面もあり、観客を和ませていた。新曲「my town」の前には小林が「東京の街の曲なんだけど、作ったときからこの石巻で演奏することをイメージしていました」と説明。最後は「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」で締めくくった。

Bank Bandの最後の出番、櫻井和寿のボーカルで1曲目に歌われたのはRCサクセションの「スローバラード」。強い西日が差す中、エモーショナルなサウンドが響く。その後はBUMP OF CHICKEN「ロストマン」、そしてBank Bandの新曲「こだま、ことだま。」を演奏。メンバー紹介では櫻井が小林を「このフェスのすべてをやってくれている。尊敬しています」、小林が櫻井を「リハーサルのテープも全曲聴いてくれて、本当に責任感がある男です」と語り、お互いを称え合った。

(仮)ALBATRUSの三宅洋平は「石巻、ハイサイ!」と声をかけ、リズミカルな「ジプシーソング」で場内にハッピーな空気を送り込む。三宅は「選挙も人が集まるけど、音楽も人が集まるね!」とうれしそうに笑顔を見せ、バンドはシャッフルビートが心地いい「Feel So Good」で観客の体を揺らした。

(仮)ALBATRUSのパフォーマンスが終わると、小林がステージに登場し、宮城県知事の村井嘉浩氏を呼び込む。村井県知事は、会場となっているこの場所が震災後にがれき処理場として焼却炉が置かれていた場所であることを明かし、「数年経って、この場所で皆さんが笑顔で飛び跳ねてる姿を見て感無量でした」とその思いを語り、小林へ「このイベント、少なくとも10年間は継続してくださいね」と願いを託した。そして小林は同時刻に、石巻市内で行われている灯籠流しの行事「川開き祭り」へ向けた楽曲を作ったことを告げ、SUGIZO、TOKU、Salyuと共に20分強のレクイエムを厳かに届けた。

「夜の野外で演奏するのは初めて」と永野亮(Vo, G)が語ったAPOGEEは、最初に「夜間飛行」を演奏。日没を迎えた海辺に浮遊感のあるサウンドが放たれる。その後も「RAINDROPS」「OUT OF BLUE」「The Sniper」などを披露し、会場を幻想的な空間へ導いた。初日に続いて登場したGAKU-MCは、思い入れの深い「ap bank fes」について「いろんなことを教わりました」と語り、「ついてない1日の終わりに」を熱唱。曲が終わると彼は会場後方を指さす。観客が振り向くと、ちょうどこの日開催されていた「石巻川開き祭り」の花火が上空を彩る最中。会場からは大歓声が沸き起こった。

すっかり日の暮れた会場に濃密なアンサンブルを聴かせたのはあらかじめ決められた恋人たちへ。彼らは佐藤千亜妃をゲストに迎え、フィッシュマンズの「WALKING IN THE RHYTHM」を届けたのち、約15分におよぶインストゥルメンタルナンバー「月下」を演奏してステージを降りた。SUGIZOは「大ラスに向かってしばし静寂を楽しんでください」と挨拶し、バイオリンで1月に他界したデヴィッド・ボウイの楽曲「Life on mars?」を独奏。唯一のジャズ界からの参加者・TOKUがアカペラで歌唱したあと、彼はSUGIZOと2人でジョン・レノンの「Imagine」を演奏した。

2日間にわたるフェスの最後を飾るOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDのライブは海辺の街を歌った「UKIGUSA」で幕開け。彼らの演奏に合わせ、ステージではスペシャルゲストの大宮エリーがライブペインティングを繰り広げる。その後も「夢の跡」「all the way」など、さまざまな楽曲を鮮やかな音色とともに披露した。

彼らのライブ終盤、さらなるゲストとして登場したのは櫻井和寿と小林武史。TOSHI-LOW(Vo, G)が「ほんとに本物なの? 証明してよ!(笑)」と櫻井に絡むと、櫻井は“本物”の証明として「Tomorrow never knows」をワンフレーズ歌ってみせ、会場からは大歓声が起こった。そんな櫻井のリクエストで決まったというコラボ演奏の曲は、Mr.Childrenの「蘇生」。オリジナルとはまた異なる魅力を放つ演奏に、オーディエンスは身体を揺らしながら聴き入った。アンコールではTOSHI-LOWが被災者たちとの交流のエピソードを語り、小林と櫻井と共に「朝焼けの歌」を披露。希望に満ちたこの曲で、2日間にわたるフェスの幕を閉じた。

なお「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」の模様は9月22日(木・祝)17:00よりWOWOWプライムにてオンエアされる。さらに「Reborn-Art Festival 2017」が来年2017年7月22日から9月10日までの51日間、石巻市および牡鹿半島にて開催されることが決定した。

ライブ写真撮影:YOSHIHARU OTA / TAKEHIRO GOTO / TETSUYA YAMAKAWA
会場写真撮影:YUKIHIDE NAKANO / TOYOKO IWAHASHI / SHOUICHI SUZUKI

最終更新:8月5日(金)23時7分

音楽ナタリー