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国内唯一のギターピック専門メーカー 新たな挑戦

オリコン 8月6日(土)7時0分配信

岐阜県・郡上市にある国内唯一のギターピック専門メーカー・IKEDA PICKS/池田工業が今年、カスタムギターを手がけるL’s TRUSTと共に新ブランド「MASTER 8 JAPAN」を設立した。日本のピック業界を支えてきた同社による新たな挑戦とは。

新ブランド「MASTER 8 JAPAN」のピック(写真下)

■「いつか自社ブランドを」創業者の築き上げたものを形に

 今年2月、岐阜県の国内最大ギターピック専門メーカー「IKEDA PICKS」とカスタムギターブランド「L ’sTRUST」のダブルネームによるギターピックブランド「MASTER 8 JAPAN」が設立された。国内唯一のピック製造専業メーカーとして、国内外の有名ピックブランドからも受注している同社が自社ブランドを立ち上げたのは、1970年の創業以来初。5月に発売された新商品「INFINIX」には柔軟性、形状記憶性、耐消耗性に優れた特殊プラスチックを世界で初めて使用し、「硬くて滑りにくい」「削れづらく、演奏しやすい」とユーザーからも高い評価を得ているという。

「当社は国内外のギターメーカーの製造を請け負うOEMとしてピックを製造してきましたが、創業者が築き上げてきたものを形にしたいと思い、自社ブランドを立ち上げました。現在のピック業界はCLAYTON(クレイトン)、Jim Dunlop(ジムダンロップ)などの海外のメーカーが人気ですが、形成の確かさ、研磨の細やかさなど、商品のクオリティは負けないという自信を持っています。さらにワンランク上の新素材を使用することで、「値段が高くても「MASTER 8 JAPAN」のピックがいい」と言ってもらえるようになっていきたいですね」(IKEDA PICKS/奥野浩一氏)
 さらにCrossfaithのHiroki Ikegawa(B)、coldrainのSugi(G)など、国内のプロミュージシャンのオリジナルピック製作にも力を入れている。音楽シーンの最前線で活躍するミュージシャンの要望に応えられる技術の高さも、「MASTER 8 JAPAN」の強みだろう。

「オリジナルのギター、ベースなどを作るミュージシャンは多いですが、ピックに関しては既製品の中から妥協しつつ選ぶケースがほとんど。中には気に入ったものがなかなか見つからない“ピック難民”もいます。「MASTER 8 JAPAN」では、「こういう音を出したい」というミュージシャンの細かい要求にもきめ細やかに対応できるし、Hirokiさん、Sugiさんにも非常に満足していただいています。今後もミュージシャンのオリジナルピックの製作は続けていきたいし、その過程で得たノウハウを一般ユーザー向けの商品に反映できるのも「MASTER 8 JAPAN」の特徴だと思います」(L’s TRUST 吉田拓也氏)

 また商品のプロモーションに関しても、新たな施策を視野に入れているという。

「ピックに限らず楽器業界全体が若いユーザーにアピールできていないという危惧があります。「MASTER 8 JAPAN」ではアパレルや飲料メーカーと組んだプロモーションなど、これまでとは違う広げ方も模索したいと思っています」(吉田氏)

「ミュージシャンの方に使ってもらうことも宣伝になりますし、SNSもさらに活用していきたいです」(奥野氏)

 弦楽器に直接触れることで、音の質を大きく左右するギターピック。

「アンプやPAではなく、ピックを変えることで出音が良くなることは往々にしてあります。その検証結果をまとめて、ひとつの基準を示したい」(吉田氏)という「MASTER 8 JAPAN」のトライは、アーティストのライブ活動にも大いに影響を与えることになりそうだ。(文:森朋之)

(コンフィデンス 16年8月8日号掲載)

最終更新:8月6日(土)7時0分

オリコン