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売春と重労働を強いられる移民の子どもたち

The Telegraph 8/5(金) 10:00配信

【記者:Josephine McKenna】
 欧州への移民流入が続くなか、密航業者への支払いのために、年端もいかない13歳から売春や犯罪行為、数年間の過酷な労働を余儀なくされている子どもたちがいる。子ども支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が7月29 日に発表した。

 同NGOは「見えない小さな奴隷たち」と題した報告書で、密航業者が「残酷で手の込んだやり口」を使っているとして、子どもたちに渡航費用として最大5万ユーロ(約560万円)の借金を負わせて売春や労働を強制していることを報告している。同報告書は7月30日の「人身取引反対世界デー」に先立ち、未成年者の窮状(きゅうじょう)に注目を集めるために公開された。

「今の時代に、弱い立場にあるこれほど多くの子どもたちがこのような暴力や搾取の犠牲になっているとは衝撃的だ」と、セーブ・ザ・チルドレンのイタリア欧州プログラムのディレクター、ラファエラ・ミラノ(Raffaela Milano)氏は述べた。「子どもたちを誘ってだますことにかけて、密航業者はどんどん狡猾(こうかつ)になってきている。特に最も脆弱(ぜいじゃく)な状況にある子どもたちが標的になっている。こんなことは終わらせなければならない」

 イタリアでは今年、ナイジェリアやエジプトなどから保護者を伴わずに地中海を越えて渡ってくる子どもの数が記録的な急増を示している。1~6月で合計1万500人がイタリアに入国。昨年の同時期と比べて2倍以上の数だ。

「奴隷として暮らしていい子どもなんて一人もいない」とミラノ氏は言う。「欧州全土の当局はこの危機を自覚して、危険にさらされている子どもたちを守るためにもっと手を打つ必要がある」

 ジェシカとだけ名乗るナイジェリア人女性は、17歳のときに恋人からどのようにしてイタリアに来るよう説得されたかについて詳しく説明した。イタリアに着くと、恋人から渡航費として5万ユーロの借金を負わされたと言われ、セックスワーカーになるよう命じられたという。素直に従わないと、ナイジェリアにいる妹は殴られ、家族は脅されたという。

 セーブ・ザ・チルドレンによれば、多くの少女たちが性風俗産業で働くことを強いられる一方、エジプトから渡ってきた少年たちは借金を返すために窃盗や麻薬取引などの犯罪を強制されている。

 密航業者は、フェイスブック(Facebook)などのSNSを利用して、欧州でのより良い生活を約束して少年たちをおびき寄せている。ローマ(Roma)では、車の洗浄の仕事を週7日間、1日12時間も強いられているエジプト人の少年たちがいる。低賃金の上に未払いのことも多い。

 7月28日、イタリアのアンジェリーノ・アルファーノ(Angelino Alfano)内相は国際移住機関(IOM)と一緒に、アフリカ15か国で密入国と不法移民の危機に対する関心を高めるキャンペーン「移民に目を向けよう」を立ち上げた。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:8/5(金) 10:00

The Telegraph