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頻発 ゲリラ豪雨 短期集中・・・農家悲鳴

日本農業新聞 8/5(金) 7:00配信

 短時間に集中して雨が降る“ゲリラ豪雨”が各地で多発している。特に今夏は、隣の集落では晴れていても、その地域だけ集中して強い雨が降る傾向がある。農家やJA職員は「雨の降り方が昔と明らかに違ってきた」と異変を察知する。こうした状況は今後2週間は続く恐れがあり、気象庁は注意を呼び掛けている。

“数年に1度”が連日 2週間は警戒必要

 気象庁によると、1時間当たり80ミリ以上の「猛烈な雨」が発生する回数は、統計を取り始めた1976年以降、年々増加している。今年も1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」が降った回数は7月までで107回(1000地点の発生回数に換算)、80ミリ以上の雨は9回を記録した。

 8月に入っても、数年に1度しか発生しないような大雨が降る「記録的短時間大雨情報」の発表が連日、相次いでいる。1日は北海道留萌地方で1時間に100ミリを記録、山梨県で同50ミリ以上の豪雨となった。2日も福島市で同110ミリ、神奈川県や岐阜県でも同50ミリ以上の豪雨となり、3日は岩手県奥州市や宮城県栗原市西部付近で同100ミリもの猛烈な雨に見舞われた。

 同庁は今夏、ごく一部の地域で大雨となる傾向があるという。南から暖かい空気が入り込み積乱雲が発達しやすいためで、この傾向はしばらく続くと見通す。「太平洋側から湿った空気が流れ込み、今後少なくとも2週間は集中豪雨が発生する可能性がある」(予報課)とみる。

 積乱雲は急激に発達するだけに、晴れていても油断は禁物だ。同庁は「農家の取れる対策は限られるが、注意報を小まめにチェックし、黒い雨雲を見たら警戒してほしい」(同)としている。

「ここだけ」「降り方変わった」

 予想が難しい局地的な豪雨に、産地は振り回されている。北海道JAふらの上富良野支所営農課によると、上富良野町内清富地区で1日昼すぎから降った大雨によって河川が氾濫。芋や麦類、テンサイの畑に土砂が流入した。ただ、同じ町内でも小雨で終わった地域もある。

 長沢浩也課長は「ごく一部の地区だけが滝のようなものすごい雨になった。これほど局地的な雨は過去になく、雨の降り方が昔と違ってきた」と実感する。

 宮城県栗原市でも状況は同様だ。栗原農業改良普及センターによると、ごく一部の地域が集中豪雨に見舞われ、大豆や水稲が冠水した。同センターは「冠水したのはほんの一部。市内ではほとんど降っていない地域もある」と雨の範囲は局所的と説明する。

 福島市でサクランボや桃を生産する農家の片平新一さん(63)は2日の豪雨で、「目の前の道路が一気に川と化した」と振り返る。雨の影響で、収穫直前の桃が水分を一気に吸って落果する被害が出ているという。「山沿いの農園は大雨でひどいことになっている。極端な天候で、農業にとっては本当に厳しい環境だ」と嘆く。

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最終更新:8/5(金) 7:00

日本農業新聞