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「トランプ米大統領」誕生に寄与し得る5つの要素とは?

The Telegraph 8/5(金) 11:30配信

【記者:Nick Allen David Lawler】
 11月8日に行われる米大統領選の本選まで100日を切った。共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、自身を勝利に導いてくれると信じる5つの主たる前線を制するため、着々と準備を進めている。

 本選までの残り時間が少なくなる中、トランプ氏は鍵となる州を訪問し、民主党の指名獲得争いで敗れたバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員の不満を募らせている支持者らを取り込み、白人男性労働者層に広がる怒りを逆手に取り、層の厚い銃規制反対派をたき付け、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる騒乱に乗じ、雇用創出を約束していく戦略だ。

 対するヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官は先週、ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で開催された民主党全国大会で、自らを経験に裏打ちされた信頼できる候補だと強調した。

 確かにクリントン氏の支持率は、同大会後に上昇が期待できるはずだ。だが専門家らは、本選の結果を左右するのはオハイオ(Ohio)州やペンシルベニア州といった労働者階級が多数を占める一部の州での戦いになるという見方を強めている。

 トランプ氏はクリントン氏を、トランプ陣営がいう「危機に直面した米国」という自覚に乏しい候補、つまり崩壊しつつある「現状維持」の体現者だというレッテルを貼るだろう。

 クリントン氏がバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の功績を称賛しようとするのに対し、トランプ氏は、米国人は苦悩し、焦燥感を抱き、不満を募らせていると主張するだろう。

■サンダース派の取り込み

 民主党全国大会に出席したサンダース氏の支持者らの携帯電話に、意外な広告が表示された。それはトランプ氏からの15秒間のビデオメッセージだった。

 動画の中でトランプ氏は、「ヒラリー側の政府の内通者らが不正を働いた」と語りかけた。「バーニーにはそもそも望みがなかった。ヒラリーとその取り巻きによる腐敗はこれからも続く。ヒラリーは(サンダース派の)皆さんが寝返ってくれるのを願っている」

 トランプ氏はこの巧妙なハイテク戦略に、40万ドル(約4000万円)を投じた。民主党全国大会では、サンダース派の一部がクリントン氏に対して嫌悪感を抱いている様子が露呈していた。トランプ氏は同じビデオメッセージ戦略を、本選の鍵を握る8州のサンダース派に対しても活用していくとみられる。

■怒れる白人男性層

 共和党は常識的に考えれば、増加しているヒスパニック系や女性を取り込んで支持基盤を広げていく必要がある。

 だがトランプ氏は物議を醸した一連の発言で、こうした層との連絡橋を自ら焼き落としてしまっている。その代わりに陣営は、核となる支持基盤からの得票数を倍増させることによって勝率を上げられると考えている。民主党の選挙参謀らは、今回初めて投票する人々、しかもその大半が白人男性という層の票が、トランプ氏に流れる可能性を危惧している。

 2008年の大統領選でクリントン氏の選対責任者を務めたマーク・ペン(Mark Penn)氏に言わせれば、「カウチポテト族が1億人」おり、「これらの人々は投票に行ってもいいが、気が乗らないと感じている。そのうちの多くは労働者階級の白人だ」と指摘している。

 リビングルームのテレビに流れ込んでくるトランプ氏の歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは、彼らの怒りをかき立て、ソファーから立ち上がって投票に向かう気にさせるだろう。

 この「怒れる白人男性」の姿は、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)で開かれた共和党全国大会でも目立っていた。同州出身の電気技師クリスさんは、2008年にはオバマ大統領に投票したという。8年後の今年、彼は共和党大会の会場前に集まった反トランプ派の抗議者らに対し、「壁の向こう側にとどまっていろ」と言い放った。

 クリスさんは「この国には、キリスト教徒の白人男性に対する戦争が起きている」と言い、「私は投票所に行く、あなたも信じた方がいい」と話した。

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最終更新:8/5(金) 11:30

The Telegraph

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