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食糧難解決に貢献-理研など、養魚場の水質環境を診断 最適な餌やり探る

日刊工業新聞電子版 8月5日(金)16時10分配信

 理化学研究所環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーや水産研究・教育機構の伊藤克敏主任らは、水の底に電極を沈め電位の変化を観察することで、魚の養殖場の水質環境を診断するプロジェクトを始めた。水の底にある堆積物や岩石などでできた表層(底質)に住む小動物や細菌などの生物の代謝から、水中生物の多様性を調べる。餌を与える最適の時刻や量を算出し、環境の保全にもつなげる。

 養殖場では魚、エビやゴカイなどの小動物以外に、電気を発生する細菌(電気発生菌)や電気を食べる細菌などが存在し、生態系のバランスが保たれている。電気発生菌と電気を食べる細菌が小型電極を介して電子をやりとりすることを利用し、底質の電位を測定する。

 水中の生物多様性が保たれた環境では、酸素が豊富な好気環境となり電位は正となる。さらに餌を入れても底質がすぐに元のきれいな水質に戻る恒常性も備えている。逆に有機物などが多く酸素が少ない嫌気環境下では、底質が負の電位となる。水中の生物多様性が低いため、餌を水中に入れても元の水質に戻りにくい。

 現在予備実験中で、国内の複数の場所で計測する予定。

 世界人口の増加に伴う食糧不足を解消するため、今後海の開発が進むと考えられている。海洋資源を産業に利用するには、産業と環境とのバランスを評価する技術が必要になる。中村チームリーダーは「水質の電位から海の生態系の恒常性を調べたい」と評価技術の開発に意欲を見せている。

 農林水産省が2016年度から進めている赤潮研究のプロジェクトの一環として進められている。

最終更新:8月5日(金)16時10分

日刊工業新聞電子版

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