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原爆焼を広島・福山の小学校に寄贈 地元の石岡さん、平和学習活用を

山陽新聞デジタル 8月5日(金)22時30分配信

 広島の「原爆の日」(6日)を前に、爆心地の土を混ぜて制作した陶器「原爆焼」が5日、福山市立野々浜小学校(大門町野々浜)に寄贈された。地元の石岡悦子さん(75)の義父・太市さんが所有していた湯飲み1点で、同小で贈呈式が行われた。今後、子どもたちの平和学習に役立てる。

 湯飲みは高さ7・6センチ、直径8センチ。原爆の投下日時や被爆歌人といわれる山本康夫氏(1902~83年)の短歌が刻まれ、青い釉薬(ゆうやく)がかかっている。神辺町にあった広島原爆記念会が制作したものと考えられる。入手経緯は不明だが、同町の町長代理だった太市さんが手に入れ、愛用していたという。

 太市さんが1990年に亡くなった時に処分を考えたが、生前大切にしていたため、石岡さんが自宅で保管。市内で原爆焼が発見されたとの新聞報道をきっかけに、「市内で教員をしていたこともあり、小学校で平和学習に役立ててもらおう」と寄贈を決めた。

 全校登校日に合わせて行われた式には1~6年生約140人が参加。石岡さんが甲斐泰弘校長に目録を手渡した。石岡さんは、生まれ育った神戸市での空襲体験を話し、「雨のように降ってくる焼夷(しょうい)弾の中をお母さんの服につかまり一生懸命逃げた。戦争は多くの人の命を奪ってしまう。皆さんは命を大事にし、戦争を起こさないよう正しい判断をしてください」と訴えた。

 6年女子(11)は「戦争の体験談を聞くのは初めてで、恐ろしいと感じた。原爆焼からは平和を大切にしてほしいという作った人の思いが伝わってくる」と話していた。

 広島県立歴史博物館(西町)によると、広島、岡山県で7点が現存しているという。

最終更新:8月5日(金)22時30分

山陽新聞デジタル