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『家売るオンナ』にみる“勝利の方程式”

トレンドニュース(GYAO) 8/5(金) 18:14配信

7月クールの民放ドラマは、ほぼ全てが3話まで放送され、評価が定まりつつある。GP帯14本の中では、量的にも質的にも高い評価を得ているのが日テレの『家売るオンナ』。
視聴率(注1)では、唯一4話まで全て二桁をキープ(初回12.4%・2話10.1%・3話12.8%・4話12.4%)。
満足度(注2)でも、初回3.52・2話3.78・3話3.72は、『ON 異常犯罪捜査官』と互角にトップを競っている。強さの秘訣(ひけつ)は、“勝利の方程式”がいくつも駆使されている点にある。

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まず初回の視聴率は、12.4%でトップに立った(2位『女たちの特捜最前線』11.6%、3位『仰げば尊し』11.4%)。
ドラマ初回に強い日テレの本領が発揮された格好だが、実は主人公を演ずる北川景子は今春DAIGOと結婚したばかりの時の人。しかも放送直前の1週間で、日テレの12番組に出演して番宣を入念に行った。特にそのうち4番組は視聴率の高いGP帯のバラエティで、認知度の高さがロケットスタートにつながった。

次にタイトル。
「家を売る女」ではなく、「家売るオンナ」と来た。『ハケンの品格』(07年)、『アイシテル~海容~』(09年)、『家政婦のミタ』(11年)と、日テレには話題作のタイトルにカタカナを使う伝統がある。アイキャッチとして、よくできていると言えよう。

主人公のキャラも秀逸だ。
「私に売れないイエはありません」が口癖の三軒家万智。あり得ない手を駆使して、狙った物件は必ず売ってしまう。しかも目をむいて命令する口調、ムダのない必要最低限の発言、感情を表に出さない北川景子の演技は、『家政婦のミタ』を彷彿(ほうふつ)とさせる。「私はホームレスでした」という言葉、どんな人生を送って来たのか謎に満ちた設定まで似ている。

実は日テレのドラマは、現実にはありえない濃いキャラクターの女が主人公になる場合が多い。出発点は「同情するなら金をくれ」で有名な1994年『家なき子』。その後、『ごくせん』(02年・05年・08年)、『女王の教室』(05年)、『ハケンの品格』(07年)、『曲げられない女』(10年)、『Mother』(10年)、『家政婦のミタ』(11年)、『明日、ママがいない』(14年)、『花咲舞が黙ってない』(14年・15年)などが連なる。
中でも『女王の教室』(05年)、『ハケンの品格』(07年)、『家政婦のミタ』(11年)では、強烈なキャラクターに加え、股旅もの(=さすらいのガンマンもの)の要素が入る。謎多き女が硬直した組織や家族がバラバラの家庭に風穴を開け、新風を吹き込み、また何処かへ去っていく。視聴者の興味を掻(か)き立ててやまないキャラが話題作に欠かせない要素となっている。

撮影の仕方も徹底している。
チーフとしてダメな若手に「GO」と命令する際は、北川景子の顔にクイックズームすると同時に、小さな突風が髪をなびかせる。相手を睨(にら)みつける際にも、クイックズームやアップサイズへの短いカットの積み重ねが多用されるが、後光のようにキラリと光まで付加される。
キレを出すため、細かいところにまで仕掛けが施されているのである。見る側にとっては、刺激に満ち心地よいテンポを感ずる演出だ。

まだある。効果音と効果音楽での工夫だ。
サイボーグのようにシャキシャキ動く北川景子の動作に、細かく効果音がついている。キレの良い振り向きには、“ザッ”とさり気なく効果音が加わる。同僚が失敗しダメダメの表情になる際には、「ぷぉ~ん」的な音が添えられる。劇画的にわかりやすさに徹しているようだ。

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最終更新:8/5(金) 18:14

トレンドニュース(GYAO)