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AKB48選抜総選挙、得票数の傾向から見る「世代交代」の現状

MusicVoice 8月5日(金)17時21分配信

 指原莉乃(HKT48)の2連覇という快挙、しかも過去最高の20万票超えという劇的な結果で幕を閉じた、第8回AKB48選抜総選挙。10年というAKB48の歴史の中でも、大きなインパクトを見せたこのイベントは、今回もテレビ中継やメディア報道などが大々的におこなわれ、相変わらずの注目を集める一大イベントだったとなったことは間違いない。

 しかし、全体の総数の動向には注意しておきたいところだ。総選挙は、“総議席”数「30」で始まった第1回開催時より、第8回では“総議席”数「80」(編注=80議席は2014年の第6回から)、さらに投票も多様な方法(編注=コンサートチケットに付与など)でおこなうことができるようになり、規模も手法も多種多様に“拡大”している。AKB48というグループ認知度の高さを考えれば、総得票数は上がっていくと考えるのが普通だろう。しかし、1位は過去最高の得票数を記録したが、果たしてその他の順位における傾向はどうだろうか。各順位の得票数で見られる傾向を別の視点で見れば、実は注目すべきポイントも存在するかもしれない。そこで今回は、第1回から第8回までの各順位の得票数データをさまざまな視点で考察、そこから見えるAKB48グループの傾向を探ってみたい。

 ただし、今回の分析は各回の当選議席者の得票数が対象であり、順位に食い込まなかった順位圏外メンバーの票、いわゆる「捨て票」については、あくまで視点から除外している前提であることをご承知いただきたい。

全体的な変化:総数傾向の収束化

 グラフ1では、第1回から第8回までの総選挙において、それぞれの順位の総数を折れ線グラフで示している。グラフの形状的な傾向としては、若干の部分的な上下はあるにしても、回数を増すごとにほぼ全体的に上昇傾向にあることがわかる。一方で、各選挙の総数の伸びを前回の総数との差で表したグラフ2に注目してみたい。回を増すごとに総計も増している傾向が見えるが、グラフ2を見るとその総数の伸びは一定でなく、第3回から第4回、第5回から第6回、第7回から第8回というタイミングで大きな落ち込みが発生していることが確認できるだろう。

 この落ち込みは、果たしてどのような原因があるのだろうか? 問題を定義する前に、それぞれの年で起きた事柄をまずは以下に紹介したい。

 開催回/年数   1位   2位   3位   候補者数  環境変化
第1回(2009年) 前田敦子 大島優子 篠田麻里子 98人  AKB48・SKE48を対象に初開催
第2回(2010年) 大島優子 前田敦子 篠田麻里子 104人
第3回(2011年) 前田敦子 大島優子 柏木由紀  150人 NMB48初参加、東日本大震災発生
第4回(2012年) 大島優子 渡辺麻友 柏木由紀  237人 HKT48初参加、前田敦子辞退
第5回(2013年) 指原莉乃 大島優子 渡辺麻友  246人 秋元才加等不参加、元メンバー等の参加可
第6回(2014年) 渡辺麻友 指原莉乃 柏木由紀  296人 AKB48 Team8初参加、大島優子、板野友美、篠田麻里子ら卒業、海外グループ参加可、この年に襲撃事件
第7回(2015年) 指原莉乃 柏木由紀 渡辺麻友   272人  小嶋陽菜、松井玲奈など主力不参加、高橋みなみ最後
第8回(2016年) 指原莉乃 渡辺麻友 松井珠理奈  272人  NGT48初参加、梅田彩佳や宮澤佐江など主力卒業

 ざっと見ると、主力メンバーの卒業や姉妹グループの参入などが大きな影響を与えているのではないかと考えられる。しかし、この票数の伸びに対する影響が、完全にその理由に収束できるかというと、厳密には矛盾も生じるため、そう言い切ることも難しい。たとえばグループの追加という意味では、第3回ではNMB48が新たに加入、総票数は大きな伸びを見せている。一方で、第4回のHKT48が新規加入、伸びは停滞する方向となっている。

 また、主力メンバーの卒業については、確かに上位ランキング者ともなると、一人で10万票程度の増減が発生するなど、大きな影響があると考えられるが、これが決定的な要因とも言い難いところではある。たとえば第6回では大島優子をはじめとした、大きな支持を集めた主力メンバーの卒業にもかかわらず、第8回は卒業メンバーも第6回と比較すると一人少ないにもかかわらず、票数の伸びは第6回に比べても大きく伸び悩んでいる。

 特に大島は、第7回に参加していれば上位ランクも予想され、篠田麻里子も10位以内のランキングも見込めたかもしれない。板野友美も20位以内にランクインしたと仮定すると、単純にこの3人がいなくなることで失われると予想される票数は20~30万票程度。一方、第8回に卒業したメンバーとしては、宮澤佐江が10位以内、またはあわよくば神7入りということもあったかもしれない。そう想定すると、50位前後の梅田彩佳の票数と合わせると、第8回は大きく見積もっても12~3万票程度と推定される。しかし票の減少としては、第6回のほうが伸び小さくなると予想されるにもかかわらず、実際には第8回のほうが伸びは小さくなっている。

 ちなみに第6回開催の際に起きた襲撃事件については、ショックの大きさや自粛ムードで投票数が落ちた、とみる一方で、励ましの票も増えたことが減少に歯止めをかけたという意見もある。余談ではあるが、その致命的な打撃を受けた第6回より、さらに小嶋、松井と大きな支持のあるメンバーの不参加と、大きな落ち込みが予想されながら逆に大きな伸びを見せていることは驚異的と感じられるとともに、興味深い傾向でもある。これらの考察からは、各回の総票数の伸びに対して、卒業や新規グループ参加などの立候補者の増減といった理由以外の要因が、別に存在するという仮説も考えられる。

 たとえば1年ごとに何らかの、表には現れない要因があるということも考えられる。簡単にいうと「特に実施する上で何か新しいことをするわけではないが、2回に1回は伸びが落ち込む方向に無条件に動いてしまう」ような要因が、毎回総選挙を実施する中で内在するという考えだ。もしそういう要因が存在するとすれば、その核心を明らかにするのはかなり難しい。また今後続いていく選挙戦の中で、ある程度長いスパンで傾向を観察し、同じ現象が発生するかどうかを確認していく必要もあるだろう。

 一方で、第3回から第4回、第5回から第6回では“議席”数の増加など、選挙条件の改革がおこなわれており、それが投票数の伸びを減少させる要因となるという仮定も、一つ考えられないだろうか。ただしこの理由で考えると、第8回の落ち込みの理由はまだ別の要因での落ち込みということになる。第7回と第8回の選挙で、たとえば“議席”拡大のような、直接選挙戦に影響するようなルール改正による差などは、基本的にはないと考えられる。第8回で何らか新しい題材が提供されたという発表は公にはないため、イベント自体から起因する伸びの落ち込みを特定するのは難しいが、AKB48グループの現状から考えて、特定の数値減少を招く要素があったとすれば、どうだろうか。

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最終更新:8月5日(金)17時21分

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