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脳内に残る死者の記憶、他人には見られたくない心の奥底......、誰も見たことのないものの映像化に挑戦!/『秘密 THE TOP SECRET』の大友啓史監督〈視線の先〉インタビュー

トレンドニュース(GYAO) 8月5日(金)18時43分配信

『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督の最新作は、清水玲子原作のサスペンス・コミックの映画化『秘密 THE TOP SECRET』。MRI捜査と呼ばれる手法で脳に残された死者の記憶を読み取り、迷宮入りした事件を解決しようとする警察庁の特殊脳内捜査チーム、通称「第九」の活躍を描いた作品だ。“脳内映像“という誰も見たことのないものを大友監督はいかにして映像化したのか、その裏側について聞いてみた。

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■“誰も見たことのないもの“を見てみたかったんです

――かなり前からこの原作コミックを映像化したいとお考えだったと。どのあたりに魅力を感じたのですか?

 やっぱり“脳内映像“ですね。自分の頭の中にあるものは、タイトル(『秘密 THE TOP SECRET』)通り他人には見せたくない、それこそ墓の中にまで持って行きたいものじゃないですか。でも、それを見なきゃならない立場の人たちもいて、そのせめぎ合いの中で思いがけないものを発見していく物語というのは、すごく面白いな、と。

 他人には隠しておきたい姿や心の中の欲望を丸裸にしていくということは、どうしてもタブーの領域に踏み込まざるを得ない。ドラマとして、そういうシチュエーションをちゃんと用意しているマンガだったんです。少女マンガですからきれいなタッチで描かれてはいますが、清水玲子先生独特の鋭い切り口があって、これなら刺激的なものができるんじゃないか、と思ったんです。

――その脳内映像を見るMRI捜査のシステムはどう映画化していったのですか?

 夢や記憶を描いた映画はありましたが、“死者の記憶“というのは、今まであまり映像で見たことがありませんよね。いろいろ調べると、そもそも脊髄から離れた瞬間に脳は死んじゃいますから、脳を取り出すという行為は設定上難しいんですよね。肉体と脳は、まず切り離すことができない。時間がたつと脳細胞も死んでいきますからね、脳内に残った記憶を見るためには、その死んでしまった部分を何かで肩代わりし、もう一度死んだ脳を活性化し、再生しなければならない。そこから、死者と直接繋(つな)げるガジェットを考えて、生きている人間の脳細胞の機能を借りて死者の脳細胞の補填をするシステムを考えました。

視覚として見るのではなく、まず最初に脳の中で見る。それは他人の感情や経験を共有することでもある。この設定を思いつくことで、ドラマとしても強度を得ることができる、そう思いました。たとえば映画の中で死刑囚の記憶を見る場面がありますが、脳内で死刑台に向かうところまでを体験し、死の恐怖も共有することによって、若く希望に満ちた警察のエリートですら壊れそうになってしまう世界が見えたわけです。必ずしも実現化できない設定を徹底的に調査し、それをある程度のリアリティに落とし込みながら、清水先生が描こうとしていたことを具体的にビジュアル化していきました。

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最終更新:8月5日(金)18時43分

トレンドニュース(GYAO)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。