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生徒の訴え寄り添えず 児相相談の中2自殺

カナロコ by 神奈川新聞 8月5日(金)6時35分配信

 両親から虐待を受けて相模原市児童相談所(児相)に保護を求めた市立中学2年の男子生徒が自殺を図って死亡した問題で、市は4日、報告書をまとめ、厚生労働省に提出した。自殺を図った要因として、生徒よりも保護者の言い分を重視した支援となったことなどを挙げ、「生徒の訴えに寄り添った検討をすることができなかった」と省みている。

 市児相は男子生徒が小学校6年生だった2013年11月に虐待事案を把握。14年6~10月に6回、両親の指導や生徒との面談を行ったところ、生徒は「養護施設に行きたい」と自ら保護を求めた。同年10月、市児相は一時保護を提案したが、両親は拒否。市児相は職権で強制的に保護する対応までは取らなかった。生徒は翌11月に自殺を図った。

 報告書によると、14年6~10月の面接時、児相の担当児童福祉司は、暴力の再発がなかったことから援助方針会議で面接の経過を報告しなかった。

 このため市児相内の情報共有がなく、養父に対する嫌悪感や施設で暮らしたいという生徒の訴えに着目した議論がなされなかった。逆に生徒が誇張して物事を受け取り、表現の仕方に苦労しているとの両親の言い分を重視したという。

 また、14年10月下旬に中学校から養父の暴力があったと連絡を受けたが、担当児童福祉司は緊急性がないと判断。虐待の再通告として受理されなかったため緊急受理会議が開催されず、一時保護を含めた対応を協議することができなかったことも問題点として挙げられた。

 市は今年4月、医師や有識者ら第三者を委員とする審議会に市児相の対応に問題がなかったか検証するよう諮問し、8月中に答申がまとまる見通し。市は答申内容を踏まえ、再発防止策を策定するという。

最終更新:8月5日(金)6時35分

カナロコ by 神奈川新聞