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【インサイト】英国のクジラ、中銀は手なずけて大暴れ回避できるのか

Bloomberg 8月5日(金)10時43分配信

世界の中央銀行は市場にモンスターを誕生させた。このモンスターが突然牙をむくことがないよう、中銀はえさをやって手なずけることに一生懸命だ。

超低金利政策はしばらく効いたが、政策金利は今や下がり過ぎたので、もっと革新的な措置が求められるようになった。

これにイングランド銀行(英中銀)は4日、応えた。大方の予想通りに2009年以来の利下げに踏み切っただけでなく、事実上の信用トレーダーになることを決めた。投資適格級の社債最大100億ポンド(約1兆3300億円)相当を購入する選択をした。600億ポンド相当の国債購入策も発表した。

企業の新発債を買う予定はないが、格付け会社少なくとも1社が投資適格とする企業から1カ月以上前に発行された債券を購入対象とする。英中銀のこうした発表が予想より相当に積極的な内容だったことは債券市場の反応に示されており、英国債の30年物利回りは過去最低を付けた。

そして、英国の大企業の社債は大幅に値上がりした。

社債購入は欧州中央銀行(ECB)が始めた異例の措置だ。ECBの購入を受け、ユーロ建ての投資適格級の社債は今年これまでに5.6%値上がりしている。ECBはこの社債購入がユーロ圏経済を押し上げたとの認識を示すが、投資家の多くは納得しまい。

投資ロジックからすれば、独シーメンスやボッシュなどのユーロ建て債の利回りがマイナス になるのは理にかなわない。また、中銀が債券購入を継続し金利を異例の低水準に維持することで市場の期待を上回り続けるえさやりが終われば、その途端に現在の市場力学は失われるとの懸念が増しつつある。

英中銀当局者らは、欧州連合(EU)離脱選択という英国民投票がもたらした重大な変化への「緊急対応」で行動していると主張する。カーニー総裁は4日の記者会見で、同中銀の行動で経済見通しが改善し、その効果が時間とともに蓄積されるとの認識を示した。必要があればプログラム拡大の選択もできるとしたが、マイナス金利導入については一線を画した。

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最終更新:8月5日(金)10時43分

Bloomberg