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清水成駿さんは競馬黄金時代の立役者

東スポWeb 8月6日(土)6時6分配信

【愛弟子が清水成駿さんを追悼】この先、中国人富裕層の爆買いによってJRAの売り上げが飛躍的に伸びたとしよう。それをもって「競馬の黄金時代」が再びやって来たと言えるのか? いくらサラブレッドが進化しても、個性的なジョッキーがいなければ競馬はつまらない。競馬の黄金時代。きらめく人馬がターフの“上”を駆け巡った。

 一方でターフの“外”から競馬にきらめきを与えた人も、今の時代とは違い、数え切れないほどいた。寺山修司や虫明亜呂無などの作家たち。大橋巨泉、井崎脩五郎などのテレビスター。競馬実況の杉本清。そして競馬予想のカリスマ、清水成駿である。

 一般的な、あるいは安易な風潮に流されない仕事っぷり=“魂の印”はまさに「孤独の◎」。ドラマ性を内包した斬新な予想コラム、陣営の真意を読み解くたぐいまれな洞察力。彼こそ“黄金時代”の立役者であり、いまや伝説となった競馬専門紙「1馬」の「スーパーショット」、さらには本紙「馬單三國志」で多くのファンを魅了し続けてきた。

 いかに競馬は深く、なぜに面白い――。

 彼の決して短くない生涯で常に心のうちに抱えていたテーマはこれだったのではないか。誰よりも競馬のとりこになってしまったからこそ、誰よりも真心を込めて競馬に打ち込んできたからこそ、来るべき世界の光景を誰よりも鮮やかに提示してみせた。紛れもなく、筆者も彼によって人生を狂わされた…いや、人生を豊かにしていただいた一人である。

 清水成駿がいない日本競馬史などあり得ない。彼がいなければ非常に味気のない世界だったろう。そう考えれば、彼と同時代を歩むことができた我々は本当に幸せ者だ。うれし過ぎて涙なんてこれっぽっちも流れない。

 そう、悲しむ必要はさらさらないのだ。出会いがあれば別れもあるのが人生。我々にはライスシャワーの的場均がいた。サクラチトセオーの小島太がいた。アイネスフウジンの中野栄治がいた。そして清水成駿がいた! 決して忘れ得ない人物に出会えた幸運にただただ、感謝である。

(レース部・虎石 晃)

最終更新:8月6日(土)7時29分

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