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クルマが友人になる?「自動車とAIの融合」がイノベーションをもたらす

ZUU online 8月6日(土)16時10分配信

先月、ホンダ <7267> とソフトバンク <9984> がAI分野で共同研究を開始すると発表した。AI技術「感情エンジン」をモビリティへと活用するものである。

具体的には、感情エンジンを搭載した自動車が「ドライバーの感情や心理を読み取りながら成長する」というもの。ナビゲーターとしての機能はもちろんのこと、まるでドライバーと気心の知れた「相棒」のような役目も果たすようになる、という試みだ。このニュースを受けて、ホンダの株価が一時急伸する場面も見られたほどである。

次世代自動車を巡る動きは刻々と変化しているが、今回は「クルマとAI」の融合について考えたい。

■あの「ペッパー」が自動車になる?

ソフトバンクが主催した「ソフトバンクワールド」の基調講演で紹介したビデオでは、クルマが運転手の少女と出会い、様々な会話や経験を重ねながら歳とともに成長し、絆を強めるストーリーが紹介された。

クルマは運転手との会話による音声データ、センサー・カメラからの画像データを活用し、AIやディープラーニング(深層学習)で成長する。いわば、人気ロボット「ペッパー」がクルマになったようなイメージである。

ペッパーがクルマになり、運転手の友人になるとすれば、夢のような話である。自動車市場は、ロボット市場よりも魅力的な市場に成長する可能性を秘めていると言えるだろう。

■トヨタも「AI開発」に積極的に取り組む

AIに注力しているのはホンダだけではない。

トヨタ <7203> は、2016年初にシリコンバレーにAI研究開発拠点「TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)」を設立した。トヨタは、AIの研究に5年間で10億ドル(約1050億円)を投じると発表している。

TRIは、米国防総省出身のAIの第一人者をCEOに迎えたほか、 Google で自動運転の中心人物をヘッドハントするなど、AIのドリームチームを結成した。それまでの同社は、EVやFCVなどの環境車には力を入れていたが、自動運転などの次世代技術にはあまり力をいれていなかった。トヨタの積極的な動きは、自動車産業の転換の前兆と言えるのかもしれない。

■今のままでは Google に自動車業界を席巻される

コンピュータ業界は、OSのオープン化、半導体や周辺機器のモジュール化が進んだことで、PCが「プラットフォーム」に変化した。その変化に対応できない多くのPCメーカーが淘汰された。自動車業界でも、今後はプラットフォーム化が進む中で、たとえ大手自動車メーカーであっても存続が難しくなる恐れがある。

トヨタといえども、既存の権益にしがみついているわけにはいかない。「クルマとAIの融合」という時代の変化に乗り遅れたら、世界の自動車産業の進化に取り残されるかもしれないからだ。

自動車業界では、車載OSとしてGoogleのAndroidと、トヨタが主導するリナックスを活用したAGL(オートモーティブ・グレード・リナックス)が火花を散らしている。それをAppleが静観しているという構図だ。

Googleの子会社ディープマインドのAIは非常に優れている。今年、囲碁の世界チャンピオンを破って注目されたのは記憶に新しいところだ。AIにゲームを経験させ、どうやって勝つかをAI自身が学ぶようになっている。

レーシングゲームの分野でも研究が進んでおり、最終的にはこの技術を自動運転へ応用する構えだ。 Googleは、AIについても技術の一部をオープンソース化する意向を示している。

■テスラの自動運転で米国初の死亡事故

ところで、今年5月、テスラ・モーターズの電気自動車「モデルS」が自動運転機能「オートパイロット」を使用中にトレーラーと衝突、ドライバーが死亡する事故があった。

強い日差しのせいで、ドライバーもオートパイロットも前方の左折するトレーラーに気がつかず突っ込んでしまったとされている。初の自動運転車での死亡事故ということで、コンピュータに運転を任せるのは怖いと思った人も多いことだろう。自動車産業は、次世代自動車の開発に「大きな課題」を突きつけられることとなった。

自動運転のテクノロジーを、AIがディープラーニングで使いこなせるようになったとき、初めて「完全自動運転」が実用化されるのだろう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:8月6日(土)16時10分

ZUU online

チャート

ホンダ7267
2961.5円、前日比+43.5円 - 9月29日 12時36分

チャート

ソフトバンクグループ9984
6650円、前日比+119円 - 9月29日 12時36分

チャート

トヨタ自動車7203
5906円、前日比+34円 - 9月29日 12時36分

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