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「Razer Blade 2016」は次世代MacBook Proを待てないユーザーの救世主か?

ITmedia PC USER 8月6日(土)6時25分配信

 こんにちは、ドリキンです。サンフランシスコでソフトウェアエンジニアをしています。スタイリッシュでハイスペックなゲーミングノートPC「Razer Blade」の2016年モデルをUSのRazer本社からお借りできたので、前回の開封レビューに続いて、今回はライバル機との比較をしていきます。

【写真】本体サイズを比較してみた

 ご存じの通り、ゲーミングノートPCはゲーマーにアピールするため、ボディーに派手な装飾や特徴的なデザインを加えた製品が多いのですが、このRazer Bladeは至ってシンプルですっきりした外観に仕上がっているのが逆に目立ちます。

●ライバル比較「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」

 Razer Bladeのデザインは、Appleの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(以下、MBP15)によく似たデザインであることは一目見れば分かるでしょう。天面のRazerロゴは別として、全体にフラットで四隅を丸めたアルミニウムボディーは、CNC加工で精密にカットされ、まるでMBP15をブラックに塗ったかのようです。

 ハードウェアのスペックを比べてみても、かなり似ていて、Razer BladeはゲーミングノートPCでありながらも、MacBook Proを強く意識して開発されたことが想像できます。

 ディスプレイのサイズと画素密度は、Razer Bladeが14型で約262ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)、MBP15が15.4型で約220ppiです。画面サイズはRazer Bladeの方が一回り小さいですが、MBP15より高解像度になっています。もっとも、どちらも目視でピクセルのギザギザが全く分からない高精細で滑らかな表示です。ちなみに、Razer BladeはWindows 10搭載PCということもあり、MBP15にはないマルチタッチ対応のタッチパネルも内蔵しています。

 ボディーサイズは、画面サイズが小さいこともあり、Razer Bladeの方が数mm単位でMBP15を下回っていますが、フットプリント、厚さ、重さはほぼ同じです。どちらも厚さは18ミリ程度、重さは2kg程度なので、モバイルノートPCほどの可搬性はありません。

 CPUはいずれもクアッドコアのCore i7と強力ですが、Razer Bladeは最新の第6世代Core(開発コード名:Skylake)、MBP15は2世代前の第4世代Core(開発コード名:Haswell)を採用しているため、パフォーマンスには大きな差があると言えます。

 GPUではRazer BladeがゲーミングPCの本領を発揮します。Razer BladeのNVIDIA GeForce GTX 970M(6GB GDDR5)は、MBP15のAMD Radeon R9 M370X(2GB GDDR5)に比べて、描画性能、グラフィックスメモリ容量ともに段違いの実力です。

 またRazer Bladeについては、最大40Gbpsという高速なデータ伝送に対応したThunderbolt 3を内蔵し、純正オプションとしてThunderbolt 3接続でグラフィックスカードを外付けできるケース「Razer Core」が後日発売される予定です。これを使えば、デスクトップPC用のより高速なグラフィックスカードの描画性能をRazer Bladeに加えられるので、圧倒的な差となります。

 そもそもWindows PCとMacなので、単純にスペックを並べて優劣を付けることはできず、それぞれのOSが持つ特徴の違いは無視できませんが、CPUとGPU(およびグラフィックスメモリ)のパフォーマンスはRazer Bladeに明確なアドバンテージがみられます。ゲームだけではなく、ビデオ編集やフォトレタッチなどクリエイティブな作業でもかなり処理速度が違うことは想像に難くありません。

 MBP15は現行モデルが長らくアップデートされずに、発売されてからだいぶ時間がたっています。2016年内に新モデルが出るというウワサもありますが、特にGPUはゲーミングPCの方が性能を追求する傾向が強いので、内蔵GPUのパフォーマンス重視であれば、MBP15のモデルチェンジ後もRazer Bladeの方が有利な可能性が高いでしょう。

●薄型軽量モデルとの比較「Razer Blade Stealth」

 もう1つ、Razer Bladeの2016年モデルを検討するうえで気になる機種があるとすれば、Razerが一足先に発売した12.5型の薄型軽量ノートPC「Razer Blade Stealth」ではないでしょうか。

 実は筆者自身、Razer Blade StealthがUSで発売されたときに、いち早く購入して気に入っているノートPCです。基本的なデザインはRazer Bladeと同じで、携帯性を重視した12.5型モデルという位置付けです。

 Razer Blade Stealthは本体サイズが321(幅)×206(奥行き)×13.1(高さ)mm、重量が約1.25kgです。こちらは「13インチMacBook Air」(以下、MBA13)と同程度のフットプリントですが、13.1mmという薄さ、約1.25kgという重さはMBA13(17mm厚、約1.35kg)に勝ります。サイズ感の違いは、Razer BladeをMBP15、Razer Blade StealthをMBA13に置き換えるとイメージしやすいはずです。

 薄型軽量を重視したRazer Blade Stealthは、基本スペックがRazer Bladeより抑えられています。CPUはデュアルコアの第6世代Core i7-6500U、GPUはCPU内蔵のIntel HD Graphics 520、メモリは8GBで、2016年の薄型軽量WindowsノートPCとしては無難にまとまったスペックです。特に外部GPUを内蔵していないのはRazer Bladeと大きな違いで、ノートPC単体では遊べるゲームが限られます。

 Razer Blade Stealthはゲーム用途だけではなく、通常のパーソナル・ビジネスノートPCとしての活用も想定しているので、携帯性の高いスタイリッシュなノートPCを求める幅広いユーザー層にアピールしたいことから、外部GPUを内蔵しない設計としているのでしょう。

 一方、12.5型の液晶ディスプレイを2種類から選べるのはRazer Blade Stealthの大きな特徴です。下位のWQHDパネル(2560×1440ピクセル/約234ppi)でも高画質ですが、上位の4K UHDパネル(3840×2160ピクセル/約352ppi)は、Razer Bladeを超える解像度と画素密度が得られます。また、この4K UHD液晶パネルはAdobe RGBの広色域をサポートし、クリエイティブな作業でも優位性を発揮します。

 そしてRazer Blade Stealthの最大の特徴は、薄型軽量ノートPCでありながら、Razer Bladeと同じ外付けグラフィックスカード拡張ケースのRazer Coreを利用できるところにあります。これで拡張すれば、外出中は薄型軽量モバイルノートPCとして使いつつ、自宅ではゲーミングPCに変身するという「一粒で二度おいしい」使い方が可能です。

 その他、拡張ポートの種類と数、本体やキーボードの質感などは共通化しているので、用途とサイズに合わせて好みのものを選べばいいでしょう。

 従来のノートPCは、ボディーサイズを優先すると性能を犠牲にせざるを得ませんでした。しかし、Razer Blade StealthはRazer Coreという新しい仕組みを採り入れることで、モバイルノートPCからデスクトップPC代替ノートPCまでの範囲を1台でカバーできるようになったのは画期的です。

 ちなみに、Razer Blade、Razer Blade StealthともにThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子を備えていますが、Razer Blade Stealthは電源端子もUSB Type-Cで共有しています。Razer Blade Stealthは45Wの電源なので、USB Type-C PDの規格で十分電源が供給できるため、独立した電源ポートが省かれているのです。ACアダプター自体もかなりコンパクトなので、携帯性を優先するならRazer Blade Stealthの方が魅力的です。

●デスクトップ並の性能をノートPCで得たいなら有力候補

 個人的にRazer Blade Stealthを購入して愛用していたことを機会に今回の評価をさせていただいていますが、Razer Bladeについてもかなりひかれています。

 筆者は普段YouTube動画の編集などに自作のハイスペックデスクトップPCを活用していますが、今回Razer Bladeで動画編集を行ってみると、かなりデスクトップPCに近い感覚で快適に作業できました。

 どこでもデスクトップPC並みの作業環境を得たい人にとっては、ゲーム用途に限らず、Razer Bladeがおすすめ候補の1つになると思います。

[ドリキン,ITmedia]

最終更新:8月6日(土)6時25分

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