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著名相場師に学ぶ「テンバガー(10倍株)」の見つけ方

ZUU online 8月6日(土)18時10分配信

株式市場で様々な企業が上場しているが、時にその中から「10倍株(テンバガー)」が生まれ、市場の話題を総なめにすることがある。その企業の株価が安い時点で投資を行っていた先見の明のある投資家は資産が大きく膨らむことになる。

そんな株を見つけようと多くの投資家が必死になって銘柄探しをするものの数千銘柄もある企業の中から10倍株を見つけることはたやすいことではない。

しかし、海外の著名投資家ウィリアム・オニール氏(以下オニール)の投資手法をもちいれば10倍株を初期の段階で見つけることが可能となるかもしれない。オニールは名著「マーケットの魔術師」でも紹介されている投資家で、いわゆる大きく株価の伸びる成長株投資の第一人者でもあり日本の投資家の中でもファンが多い。

ここではオニールの手法の内、日本の株式市場に応用が効きそうな部分を中心にポイントを絞ってお伝えしていこう。

(1)株利益(EPS)は増加しているかどうか

株投資で良い銘柄を選択するには企業利益の確認が最も基本的なものとなる。ここで重要なのは利益がどれくらい大きいかではなく、どれくらい伸びたかということだ。特に以下の2点は注意して見るようにすると良い。

・直近2四半期のEPSの伸び率が前年同期比で大きいかどうか
・過去3年間の通年のEPSが順調に伸びているかどうか

EPSは一株あたり利益のことであり、企業の最終利益の合計を発行済みの株式数で割った値で出る数値の事である。

企業は通常3か月に一度決算で利益を公表する(つまり年4回)が、直近の2回にあたる決算のEPSがそれぞれ前回に比べてどれくらい伸びているのかを確認する。そしてそれを前年のものと比べて多いかどうかを把握する。企業収益が伸びている企業はEPSの伸び率が高くなる傾向がある。

また加えて、通年のEPSの伸びも確認しておこう。過去3年間を通して順調に伸びていることが必要で、一度利益が落ち込んでいる場合には注意が必要である。

オニールの銘柄選定には、利益面においてEPSが使用される。四季報などを利用する際にもEPSを見る癖をつけるとよい。

(2)新製品・新サービスがあるかどうか

大きく株価を伸ばした銘柄の中には、誰もが夢中になるような新製品やサービスがある。

逆に言えばこのような条件なしに株価が大幅に上がることは難しい。日本市場でもこれは当てはまる。最近でも株価を大きく伸ばしている企業は、スマホアプリ関連銘柄のような誰しもが夢中になるような企業ばかりである。

ただし、手がけるのであれば、民泊やスマホ関連のようなわかりやすい企業への投資が良い。見えないところで何が行われているかわからないバイオのような株式はやめたほうが良いだろう。

(3)需給は良いかどうか、またリーダー的な存在かどうか

需給面とは需要と供給の問題を指す。例えば、ある企業の株式を保有している人が多ければ多いほど、株価が上がりにくくなる。逆に、保有されている株式の量が少ない企業の株式はふとしたことで株価が大きく上昇する。つまり、大幅上昇を遂げるのは大型銘柄よりも小型銘柄に多いといえる。

次に、ある企業の銘柄を買う際には、その企業がどの業種(またはテーマグループ)に属しているのかを見つけることも大事だ。オニールは、大幅上昇株式を見つけるには、その銘柄群の上位3銘柄を見つけて投資対象にすることが大事だと主張する。大抵の場合、そのようなリーダー的な銘柄が先に上昇を始めて、取り巻きの銘柄はその後についてくるように株価を上昇させる。しかし、ほとんどの銘柄がリーダー程の大幅な上昇を演じきれないことが多い。

(4)機関投資家(大口)の存在とマーケット環境

株主構成に大口で保有している機関投資家がいること。注目されている企業は既に大口の買い需要が発生した後であることが多い。資金力のある機関投資家などは株価の上昇に合わせて、株を買い増ししていく場合が多い。10倍、20倍に株価が化けるためには個人投資家の買いのみでは力不足だ。

最後の重要な条件として優良な相場環境があることが必要だ。結局は相場環境が劣悪な場合、どんなに良い銘柄でもそれほどの上昇は期待できない。昔から言われていることだが、相場環境がベア(弱気)の時には、買いよりも売り(空売り)の方が圧倒的に有利だ。

正常な値動きを伴っての10倍株とは、健全な市場環境があってこそ生まれるのだという。

■10倍株(テンバガー)発掘をより深めるために

ここまでいくつかポイントを絞ってオニールの銘柄発掘の視点をお伝えしたが、これはオニールの手法のごく一部である。

ほかにも10倍株を見つけるためのチャートパターンや、売買タイミングなど知るべきことがあり、そこまで知りたい方はぜひ「オニールの成長株発掘法」という本を読んでみよう。目からうろこの内容の連続にきっと驚くことだろう。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。2級ファイナンシャルプランナー。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。ネットマネーや日経マネーと言った経済雑誌での執筆活動も行う。個人ブログ「インカムライフ.com(http://income-life.jimdo.com/)」を運営。

最終更新:8月6日(土)18時10分

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