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「賛成票得られぬ」 早期承認困難の見通し TPPで米下院議長

日本農業新聞 8/6(土) 7:00配信

 米国議会下院のライアン議長(共和党)は4日、オバマ大統領が来年1月までの任期中に環太平洋連携協定(TPP)の承認を得ようとしても「十分な賛成票が得られない」との認識を示した。議会でもTPP反対の声が広がっているとの票読みだ。次期大統領候補は、共にTPPに反対の立場のため、日本政府はオバマ大統領の下での早期承認を期待していたが、そうしたシナリオが難しさを増している。

 ライアン氏は米国メディアのインタビューで、「議会でTPPへの十分な賛成票が得られない限り、否決されるために採決する意味はない」と語った。

 オバマ大統領は、11月の大統領選後から来年1月の退任までのレームダック(死に体)期間にTPPの承認を目指している。審議を取り仕切る議長が承認に否定的な考えを示したことで、早期承認に暗雲が漂っている。

 ライアン氏はさらに「承認を望むならば、修正や再交渉の必要がある」とし、医薬品のデータ保護期間や農業、労働分野を例示した。こうした分野で合意内容が修正できれば、米国議会として協定を支持する可能性がある。

 議会では雇用への影響を懸念する民主党だけでなく、自由貿易推進派が多い共和党内にも合意内容への不満から反対意見がくすぶる。

 TPPの議会承認を円滑にするための大統領貿易促進権限(TPA)法の昨年の採決では賛成派と反対派が拮抗(きっこう)し、僅差で可決した。しかし1日には、TPA法を支持した共和党下院議員6人が、オバマ大統領の任期中の承認に反対を表明しており、十分な賛成票の確保が難しくなっている。

 大統領候補の民主党のクリントン、共和党のトランプ両氏は、TPP反対を表明するとともに、米国の利益をさらに広げる再交渉の必要性にも言及。新たな大統領の下で、議会などの支持を取り付けるために各国に見直しを求めてくる可能性もある。

日本農業新聞

最終更新:8/6(土) 7:00

日本農業新聞