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「私は最後まで残る」、空爆続くアレッポ東部の女性産科医

The Telegraph 8月6日(土)10時0分配信

【記者:Josie Ensor, Beirut】
 シリア・アレッポ(Aleppo)の女性産科医、ファティマ・アルマウスレム(Fatima Almouslem)さんは、同市が7月にシリア政府によって封鎖・包囲されるまでの間、流産した女性たちを毎月5人ほど治療してきた。

 アルマウスレム医師によると、流産の原因は、空爆による負傷の他、爆発を間近で経験したことによるストレスや栄養不足などだ。

 しかし、他にも大勢の負傷者が治療を待っているため、患者たちは2時間ほど休んだだけで、次の患者のために場所を空けなければならず、悲しむ時間などないという。

 シリア政府軍が7月になって、国内第2の都市アレッポからの最後の脱出ルートを制圧して以降、反体制派が支配するアレッポ東部に取り残されたアルマウスレム医師ら30万人の住民は、身動き取れない状態が続いている。

 人や物の出入りが全くないため、住民らは必要最小限の物資の配給に頼らざるを得ず、そうした物資も底を突き始めている。住民らはテレグラフ(Telegraph)に対し、何週間もコメしか食べていないと語った。

 アルマウスレム医師が勤務する病院は、24時間で4度の爆撃を受けたこともある。

 シリア北部で複数のクリニックを運営している国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」の医療プログラムマネジャー、アブドゥルカリム・エクザエズ(Abdulkarim Ekzayez)医師は、「彼らが意図的に病院を標的にしていることは疑う余地がない」と述べ、「アサド(シリア大統領)は、医師を1人殺せばその医師を頼りにしている1万人を実質的に殺せると考えているのさ」と指摘した。

 シリア政府とその同盟国ロシアは7月28日、一般市民と非武装の反体制派メンバーのための人道回廊を設置すると発表。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、7月30日までにこの回廊を通って政府の支配地域であるアレッポ西部に移動したのは、女性と子どもを中心とする民間人150人だけだった。ただし、人々が実際に回廊を通っている姿を捉えた映像はない。

 しかし、アレッポにとどまれば徐々に飢え死にするし、アレッポを出れば拘束または拷問される恐れがあるとして、大半の住民はどちらを選択することも不可能だと話している。4か所に設けられた回廊が通じている先はすべて政府の支配地域だ。

 かつてシリア経済の中心地だったアレッポは2012年以降、政府側が支配する西部と反体制派が支配する東部に分断されている。4年間も激しい空爆や戦闘を生き延びてきたアレッポ東部に残っている人の多くは反体制派を支持している。

 アレッポに住む弁護士のモハマド・ゼイン(Mohammad al-Zein)さんは「ここでは約10万人が反対派と直接関係がある。そして妻が夫を、母が息子を残して逃げることはない」と語った。

 アルマウスレム医師は、アレッポ東部に取り残された2人の産科医のうちの一人。今も仕事場に顔を見せる。

 アルマウスレム医師は、「私はここにとどまります。安全と言われている回廊はすべて政府が支配する地域に通じていますから」と語った。「医師として、私は反体制派を支援しているとみなされています。この街を離れたら、投獄され、殺されるでしょう」

「今までの私たちに対する仕打ちを思えば、アサド政権が私たちを助けたがっているとは思えない。これ(回廊の設置)は単なる見せ掛けです」と、 アルマウスレム医師は20分間しかない休憩時間にテレグラフの取材にこう答えた。

 しかし、現地にいる活動家からは、たとえ住民が街を離れようとしても回廊は今なお封鎖されているようだという報告が上がっている。地元のテレビ局が7月29日に撮影した映像では、ブスタンアルカスル(Bustan al-Qasr)地区に設置された回廊は、コンクリートの障害物で封鎖されているように見える。ただし、その障害物を置いたのが反体制派か政府側かは不明だ。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:8月6日(土)10時0分

The Telegraph

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。