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イチゴ新品種、登録出願「さがほのか」後継期待

佐賀新聞 8月6日(土)11時30分配信

「i5号」大粒で高糖度 「i9号」赤の色鮮やか

 佐賀県は、県産イチゴの主力品種「さがほのか」の後継種になることを期待して開発した新品種「佐賀i5号」と「佐賀i9号」の品種登録の出願を公表した。2品種とも「さがほのか」をルーツに持ち、比較的収量が多いことが特長。「i5号」は果実が大きくて糖度が高く、「i9号」は果実の色が鮮やかな赤でやや大きめと、それぞれにアピールポイントがある。

 出荷最盛期となる12月に東京などで試験販売し、市場や消費者の反応を見極めた上で本格的な導入・普及を検討。果形の均一性など、「さがほのか」が依然として優位な点も多く、栽培技術の確立も課題となる。

 「さがほのか」の栽培面積は「とちおとめ」に次ぎ全国2位。県産イチゴの95%を占めるほか、熊本など南九州でも栽培が広がっている。ただ、開発に着手した6年前は福岡県の「あまおう」がブランドとして定着した時期で、佐賀県産は1キロ900円台前半の低単価が続いていた。生産現場からも「赤色が強いものを」「より糖度を高く」と、新品種の要望が高まり、県とJAグループ佐賀が「次世代品種緊急開発プロジェクト」を立ち上げた。

 県予算を集中投下して年間5千種の苗を3年間継続して栽培し、合計1万5千種の中から絞り込んだ。通常は品種改良の最終段階で生産者や市場関係者の意見を聴取するが、育種のスピードアップのため、県内各地の農業改良普及センターや生産者に委託して栽培技術が確立しやすいものを絞り込み、食味や色、香りに優れたものを選抜した。

 「i5号」は平均果重が19・6グラムと「さがほのか」の1・3倍ほど大きく、収量は約1・1倍、糖度も9・5度と高め。「i9号」は、赤色の濃さを示す指標が「さがほのか」よりもかなり強く、平均果重は1・1倍で、収量は1・3倍だった。いずれも高単価が期待できる早期(11~1月)の収量も上回り、「さがほのか」の課題をクリアした格好となった。

 ただ、栽培品種の全面的な転換には課題も多い。生産者の減少などで相対的に単価が上がり、昨年度産は16年ぶりに1キロ1200円を上回る高単価で推移。農家が品種転換に踏み切る利点を見いだしにくい環境にある。果形が均一で安定する「さがほのか」の特性を生かし、JAからつなどでは、農家から集荷して箱詰めを請け負う「パッケージセンター」方式が確立しており、農家の負担が増える可能性もある。

 県園芸課は「農家にとってもプラスになるかという視点は大事で、効果的な栽培方法やブランドの確立が急務となる。販売戦略についても流通課やJAなどと連携し、練り上げていきたい」と話す。

最終更新:8月6日(土)11時30分

佐賀新聞