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“きのこ嫌い”いなくなった 大成功 ゆるキャラ作戦

日本農業新聞 8/6(土) 7:00配信

 子どもが苦手なきのこをキャラクターにし、スマートフォン(スマホ)のゲームなどに起用して消費拡大につなげる商戦が効果を挙げている。ゲームにはまって、きのこが好きになる子どもは多く、産地などが着ぐるみを作ってPRに力を入れる。きのこの消費が減る夏場も、もりもり食べてもらおうと、産地はゆるキャラ効果に期待を託す。

子どもに照準 ゲームでTVで

 原木に菌を植えて、空調などの環境を整えながら、ひたすらナメコを栽培する――。そんな地味なスマホゲーム「なめこ栽培キット」が2011年に登場して以来、人気が続いている。最盛期には毎日200万人もが夢中になり、今年7月末までの5年間でダウンロードは4200万件に達した。

 ゲームを企画したビーワークス(東京都港区)には「食わず嫌いだった子どもが、きのこを喜んで食べるようになった」「子どもからナメコのみそ汁が食べたいとリクエストされた」といった声が届いているという。今春からはNHKの子ども向け番組「なめこ~せかいのともだち」の放送も始まった。

 そこに業界が目を付けた。7月には神戸市の中央卸売市場で食育イベント「ワクワクきのこ教室」を開催。きのこ産地の長野県JA上伊那が、きのこのもぎ取り体験などを実施し、JAのキャラクターと「なめこ」の着ぐるみが登場、子どもを喜ばせた。

 企画したのは神戸中央青果卸売協同組合青果青年会の副会長、藤田寛之さん。「ゲームを通して消費が伸び悩む夏に、きのこを子どもたちにPRでき、市場の活性化にもつながる」と期待を込める。

独自の“広報担当”に 長野・JA中野市

 産地の長野県JA中野市も、エノキタケのキャラクター「えのたん」で勝負する。えのたんは「キノコ王国の王子で、ちょっぴりおとぼけな男の子」という設定にした。髪の毛がエノキタケでできており、若い女性に人気だ。

 エリンギやブナシメジなどもキャラクターに仕立て、「えのたんとキノコフレンズ」としてPRする。13年には、スマホゲーム「えのたんとキノコ採り放題」を無料公開、今春からはネット上で無料通話できるLINEのスタンプを作り、JAの“広報担当”として活躍している。

 8日からは、東京・六本木のテレビ朝日で開くサマーフェスタにJAとして出展する。「えのたん」の着ぐるみが、きのこや関連商品をPR。今秋からはテレビ朝日系列(1都6県で放映)でCMも放映する。

 JAきのこ販売課は「職員や農家が販促に出向いても、子どもたちにとっては『おじさんが来ただけ』。えのたんが来ると、売り上げが10倍に増えることもある」と効果を実感する。

日本農業新聞

最終更新:8/6(土) 16:08

日本農業新聞