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アップルが小さなAIベンチャーを相次ぎ買収する理由

ニュースイッチ 8月6日(土)10時37分配信

機械学習強化へ。今度の相手は創設者がワシントン大の「アマゾン教授」

 アップルが人工知能(AI)と機械学習のスタートアップを約2億ドル(約200億円)で買収したとGeekWireが5日報道した。この会社は米シアトルに本社を置くトゥリ(Turi)。アップルは、昨年10月に機械学習スタートアップのパーセブティオ(Perceptio)と、自然言語処理のボーカルIQ(VocalIQ)を相次ぎ買収していて、同社の人工知能に対する関心の高さを裏付けている。

 買収されたTuriは、グラフラブ(GraphLab)やデイト(Dato)の社名で知られ、ベンチャーキャピタルなどから合計2500万ドルを超える資金を調達していた。ただ、既存の会社と社名が似通っていることから、今月初めにDatoからTuriに社名変更したばかり。デベロッパー向けの機械学習プラットフォームなどを持ち、リコメンデーション(推薦)エンジンや、詐欺行為の検出、顧客離れ、感情分析、顧客のセグメント化といったアプリケーションに役立てられるという。

 アップルとしては、音声アシスタントのシリ(Siri)やApple Music、App StoreなどにこうしたTuriのAI技術を利用していくものとみられる。アップルのティム・クックCEOは今年初めに、「われわれはM&A市場で積極的であり続ける」と述べ、iPhoneの販売が減少する中で大規模なM&A戦略をほのめかしていた。

 実はこのTuri、シアトルが本拠地でアップルと同じくAIに力を入れるアマゾンとも無縁ではない。もともとの会社は現在ワシントン大学のカルロス・ゲストリン(Carlos Guestrin)教授が設立し、2009年にカーネギーメロン大学で始めたオープンソースプロジェクトが母体となっていた。

 その後、シアトルを本拠とするアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が200万ドルを地元のワシントン大学に寄付し、機械学習の教授職を設けたときに教授に就いたのが、ゲストリン氏とその妻のエミリー・フォックス氏。Linkedinのプロフィールによれば、ゲストリン氏は今でも「機械学習のアマゾン教授」の肩書でいるという。

 一方、アップルによるシアトル地区でのスタートアップ買収は2件目で、2014年にはステルス(隠密)モードだったクラウドネットワーク関連のスタートアップ、ユニオンベイネットワークスを買収。それがきっかけとなって、マイクロソフトとアマゾンのお膝元にエンジニアリング拠点を開設している。

<解説>
 「アップルは時おり小さなテクノロジー企業を買収することがあるが、通例として、われわれがその目的や計画について論じることはない」。今回の買収の事実確認の問い合わせに対しても、アップル側からは相変わらず木で鼻をくくったような返答が返ってきたそうです。つまり、当該企業の買収を認めたということですが。

最終更新:8月6日(土)10時37分

ニュースイッチ

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