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東京五輪空手 発祥地の沖縄は経済効果期待

沖縄タイムス 8/6(土) 15:00配信

 空手が2020年東京五輪の追加種目に選ばれた。4月に空手振興課を立ち上げた沖縄県は、「沖縄空手会館」の来年3月オープンを目指し、来年度以降は「空手振興ビジョン」(仮称)を取りまとめ、沖縄空手の発信力を強化する。空手の普及継承に向け、世界各地の道場数・生徒数の調査、愛好家向けの旅行商品の開発など事業案を練る考えだ。県内の関係者からは経済効果への期待とともに、愛好家のニーズを的確にとらえる必要性が指摘されている。(政経部・平島夏実、長浜真吾)

 同課によると、県内の道場は411カ所。年齢を重ねても続けられる「生涯武道」としても人気があり、スポーツ空手の競技人口は世界に6千人、愛好家は1億人に上る。

 世界的な空手の認知度に着目し、県は来年3月、豊見城市に「沖縄空手会館」をオープンさせる。基本計画の策定費用を含めた事業費は一括交付金65億円。空手発祥の地としての沖縄の魅力を国内外に発信する狙いがある。

 施設内には、コート4面分の練習場、トレーニングルーム、沖縄空手の歴史や型を学べる映像シアターや体験型ゲームコーナー、県指定無形文化財保持者が模範演武をする特別道場、空手グッズの販売コーナーを予定している。

 県の担当者は「本年度、道場や生徒数などの実態調査に着手し、来年度にはビジョンを策定したい。空手家や県民、行政で役割分担を話し合い、普及継承や経済活性化の方向性を描きたい」と話す。

 約50年にわたり、空手や古武道用品の専門店を営む守礼堂(那覇市)の中曽根健士社長は、五輪の正式種目になったことに「年々、海外からの来店者が増えている。発祥の地として注目されることは、さらにプラスに働く」とみる。空手人口が増えれば、市場規模も拡大するが「県外では大手メーカーの参入が予想される。初めてのことなので、どういう影響が出るのか、よく見通せない」という。

 来沖を希望する空手愛好家をサポートする「沖縄伝統空手総合案内ビューロー」のミゲール・ダルーズ事務局長によると、インターネットの普及で沖縄へのアクセスが容易になり、年々、愛好家の来沖は増加している。「愛好家にとって沖縄は憧れの地。少なくとも1年前から貯金しており、来訪時の消費は大きい」と語る。

 一方で課題も挙げる。道場は夜の稽古が多く、日中のサポートのあり方、同伴する家族が楽しめる工夫も重要という。ミゲール氏は「空手家のニーズに寄り添うサービスを提供するためには、県全体で受け入れ態勢を考える必要がある」と指摘している。

最終更新:9/16(金) 16:45

沖縄タイムス