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消費者の7割「顔認証を利用した高度サービス」不評--米国

ZUU online 8月7日(日)8時10分配信

顔認証技術を利用した高度サービスが、米消費者には不人気であることが分かった。

現在顔認証ソフトから個人情報を引きだし、顧客の名前、年齢、趣向などを、販売側のデータシステムに転送するという、一歩進んだサービスなどが多数考案されている。

これに対し、今年7月に米IT企業リッチレリバンス(RichRelevance)が実施したサーベイでは、1018人の米成人中67%が「その手のカスタマイズ・サービスは気持ちが悪い」と回答しており、テクノロジーを利用した過剰なサービスへの嫌悪感を示している。

■デジタル世代ミレニアル層から最大の拒絶反応

米国ではついにモバイル・ショッピングが路面店やPCショッピングを上回り、67%の消費者に利用されていることが明らかになっている。

常々顧客獲得戦に精をだしているリテール側にとっては、「客を呼びこむ夢のデバイス」であるモバイルと、最新技術である顔認証システムを融合させない手はないというわけだ。

しかし以前から指摘されている「需要(企業)と供給(消費者)の隙間」が、リッチレリバンスの調査では顕著に表れている。

顧客情報をデータ化して取得することで、カスタマーサービスの向上に努めようというリテール側の意気込みは、肝心の消費者には「度を越している」「プライバシーの侵害」などと、ネガティブに受けとめられかねない。

過剰なデジタルサービスをよしとしない世代は、意外にも79%がモバイル・ショッピングを利用しているデジタル世代のミレニアル層で、71%が拒絶反応。顧客のスマートフォンやアプリが来店を知らせるサービスなども、64%が「やり過ぎ」と不必要であることを強調している。

高度なデジタルサービスを「便利」と見なすか「不気味」と見なすかは、基本的には個人の好みや年齢層によって異なるようだが、顔認証に関しては本来のセキュリティー目的にとどめておいた方が無難なようだ。

■顔認証の「監視」イメージが不評の理由?

顔認証システムについては賛否両論があがっており、指紋認証や声認証、虹彩認識(瞳の虹彩パターンを認識する技術)といったほかのバイオメトリックとは、ある意味一線を超すものとして受けとめられているようだ。

顔認証自体を拒絶する消費者からは、「自覚のないまま、いとも簡単にプライバシーを侵害される時代になりつつある」といった懸念の声があがっている。

米市場調査会社、IHSによると、2014年の時点で世界中に2億4500万台の高性能監視カメラが設置されており、人々の「安全を守っている」。

ソーシャルメディアなどの普及で個人情報が溢れ返っている現代、テクノロジーの進化により、高解像度カメラとソフトウェアさえあれば、誰でもまったく見知らぬ第三者のアイデンティティーを特定することが可能になるといわれている。

一例をあげると、20社を超えるロシアのスタートアップが共同開発した「FindFace」というソフトでは、たった一枚のスナップ写真から、わずか数秒間で個人情報を入手することが可能だ。

このソフトは、ロシアで人気のソーシャルネットワーク「Vkontakte」にアクセスし、プロフィール写真とスナップ写真を照合することで、特定の人物を追跡するというシステムだ。

精度70%、ユーザー数50万人というFindFaceの設立者、アルテム・クハレンコ氏とアレクサンダー・カバコフ氏は、いずれも若干20代後半という若さだ。

すでに300万件以上の個人ユーザーによる「特定」が行われているというが、現在はモスクワ市役所との提携で、市内に設置された15万台のCCTVにFindFaceを導入する準備段階にあるという。

「安全性の向上」という理由で、世界中に張りめぐらされた監視の目。顔認証システムを利用したサービスに多くの消費者が乗り気でない根本的な理由は、「監視されている」というイメージに根付くものかも知れない。(FinTech online編集部)

最終更新:8月7日(日)8時10分

ZUU online