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百年の歩み1冊に 横浜・鶴見県人会が11年かけ会史発行

琉球新報 8月7日(日)14時0分配信

 【神奈川】古くから多くの沖縄県系人が集住し「リトル沖縄」と呼ばれてきた神奈川県横浜市鶴見区の県系人の足跡をつづった「横浜・鶴見沖縄県人会史-鶴見沖縄県人百年の歩み」(横浜・鶴見沖縄県人会編)がこのほど、発行された。県人の先駆者が横浜に来航したのは1889年。鶴見沖縄県人会の発足は1953年と、鶴見は本土の中でも屈指の沖縄社会の歴史がある。県人会史の発行は初めて。

 同県人会の金城京一(きょういち)会長(67)は「できた時は涙が出るほどうれしかった」と感激した様子で語った。

 横浜・鶴見沖縄県人会は「戦前戦後の苦難を生き抜いてきた方々が高齢になり、このままだと県人たちの大切な記憶は風化してしまう」と危機感を抱き、県人会史の編さん委員会を2005年に発足させた。県人会の記憶を次世代につなごうと、聞き取り調査や資料などを収集。編集委員会が作業を引き継ぎ、計11年かけて完成させた。

 発行した県人会史は「生活・労働」「組織・活動」「芸能・スポーツ」の3編で構成。「生活・労働編」では、沖縄出身者が戦前どのように鶴見区に定着し、どんな活動をしてきたかについて記しているほか、沖縄県人に関する新聞記事などを紹介している。戦後当初の暮らしの様子や「沖縄差別」にも言及している。

 「組織・活動編」では、県人会の発足や活動の経緯、各郷友会組織の活動も詳しく掲載した。

 「芸能・スポーツ編」では、戦前戦後の鶴見における沖縄芸能とその躍進の軌跡、おきつる芸能祭、沖縄角力、おきつる大運動会などの様子を写真で紹介している。

 編集委員長の並里典仁(のりひと)さん(65)は「資料の紛失があったり、聞き取り調査をやったりするなど、先輩たちのご苦労の積み重ねで完成できた。難しい面があり、時間がかかったが、出版できてほっとした」と語った。全310ページ。5千円+税。

琉球新報社

最終更新:8月7日(日)14時0分

琉球新報