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<奇跡の教室>マンシオン・シャール監督に聞く 「これを映画にしたい」熱意だけで映画監督に転身

まんたんウェブ 8月7日(日)20時21分配信

 仏パリ郊外にある高校の落ちこぼれクラスの生徒たちが、ある体験によって生き方を変えていく姿を、実話に基づき描いた映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」が6日から公開された。生徒たちを変えたもの。それは、ひとりの女性教師に促され参加することになった全国歴史コンクールの準備のために、アウシュビッツの強制収容所から逃げ出すことができた一人の老人の証言を聞いた体験だった。とはいえ、メガホンをとったマリー・カスティーユ・マンシオン・シャール監督は、今作を、ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺)について描いた作品ではないと語る。マンシオン・シャール監督に話を聞いた。

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 ◇映画誕生は18歳の若者への親切心から

 今作のそもそもの始まりは、マンシオン・シャール監督の元に届いた1通のメールからだった。送り主は、当時18歳だったアーメッド・ドゥラメさん。この作品で描かれている高校1年生のクラスに2009年に在籍し、一連の出来事を実際に体験した本人だ。マンシオン・シャール監督によると、アーメッドさんが送ってよこしたものは40ページほどのシノプシス(あらすじ)で、「物語のちょっとした“入口”」でしかなかった。にもかかわらず会ってみようと思ったのは、監督自身の「好奇心の旺盛さ」に加え、「アーメッドが送ってきたものの中に、学校をすごくポジティブにする要素があったからです」と語る。

 監督は「思えば私も18歳のとき、目上の人、特に仕事をしている人が自分に興味を持ってくれると、とてもうれしかった。ですから、この際、アーメッドに親切にしてみようと思ったのです(笑い)」と振り返る。その後、2人は共同で脚本を執筆し、マンシオン・シャール監督のメガホンで映画は完成した。アーメッドさんは、マリックという生徒役で出演もしている。

 ◇10歳の息子が「もう1回見ていい?」

 作品は、世界各国の映画祭で観客賞を受賞するなど高く評価され、また、フランス本国での評判も上々で、マンシオン・シャール監督は「立派な職業であるにもかかわらず、割と風刺されることが多い教師という職業ですが、これは実話が基になっているので、そういった心配はありません。そういうこともあり、教職に就く人たちは真っすぐに受け止めてくれました。学生たちと一緒に見に行くにはもってこいの映画でもあったようです。一方で若い人たちは、自分たちの世代のことがうまく描かれていると言ってくれました」と観客の反応を笑顔で語る。

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最終更新:8月7日(日)20時33分

まんたんウェブ