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九州国際大付・石橋、兄弟全国制覇の夢散る…兄は視覚障害者柔道日本一

デイリースポーツ 8月7日(日)21時9分配信

 「全国高校野球・1回戦、盛岡大付8-6九州国際大付」(7日、甲子園球場)

 九州国際大付が打ち負け、初戦突破はならなかった。3番・石橋大智内野手は3打数無安打。八回1死満塁の勝ち越し機で一ゴロに倒れて主軸の役割を果たせず「この負けはほとんど、あそこで打てなかった自分の責任」と、悔し涙を流した。

 日本一になりたかった。3歳上の兄・元気さんは一昨年、視覚障害者柔道の日本王者に輝いた。今年は選考会では敗れ、惜しくもリオデジャネイロ・パラリンピック代表は逃したが、将来を嘱望されるホープだ。「兄は世界で戦っている。自分は日本だけ。甲子園には出場するけど、まだまだ。兄は全国制覇している。兄弟で全国制覇したい」。闘志を燃やして、甲子園に乗り込んできた。

 兄は生まれつき視野が極端に狭い「網膜色素変性症」。好きだった野球は断念せざるを得ず、柔道に打ち込んだ。石橋は「野球を嫌いになったみたい」と感じ、プレーを続ける自分との仲も、どこかギクシャクしてしまったという。

 しかし、レギュラーとして甲子園出場を決めた際、元気さんから「自慢の弟」と言われた。「褒められたことは1回もなかった。初めて。うれしかった」。福岡大会の決勝に、こっそりと応援に来てくれていたことも後で知った。柔道での活躍を尊敬する一方で、モヤモヤもあった。それが「すっきりした」。甲子園が、兄弟をまた近づけてくれた。

 最後の夏に初めてプレーした聖地。「全然、自分の力を出せなかった。全国で勝つことは難しい。兄は(全国大会で)優勝している。すごい」と、大舞台であらためて痛感した。大学でも野球を続けるという石橋は「この悔しさを糧に、日々練習していきます。もっとうまくなって、ああいう場面で打てる選手になりたいです」と、目を真っ赤にして誓った。

 東京五輪では、野球が競技に復活する。大会前の甲子園練習では、石橋はこんなことも言っていた。「狙いたいですけど、東京の次ですかね。兄にも頑張ってもらって」。野球と柔道で、五輪とパラリンピックに兄弟で出場する。壮大な夢に向かって、貴重な経験をつんだ甲子園からスタートを切る。

最終更新:8月8日(月)11時14分

デイリースポーツ

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