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ヒトラーの野望を打ち砕いた黒人選手 『栄光のランナー/1936ベルリン』

dmenu映画 8月7日(日)11時30分配信

大会の花形、陸上短距離

文=平辻哲也/Avanti Press

五輪というのは不思議なもので、開催されるや、一気に熱が高まり、知らぬ間にテレビに釘付け。地球の裏側のブラジル・リオでの開催(8月5~21日)ということで、深夜帯開催の競技も多く、ついつい寝不足という人も多いのではないか。

大会の花形と言えば、やはり陸上短距離だろう。日本時間14日零時からは男子100m予選が始まる。日本歴代2位の10秒01のタイムを持つ桐生祥秀、日本選手権を制したケンブリッジ飛鳥、自己ベスト10秒06の山縣亮太が日本人初の9秒台を叩き出し、84年ぶりの決勝進出となるか。ほかにも男子200m、メダル獲得の期待も高い男子400mリレーも注目だ。

一方、これら3種目の全ての優勝がかかっているのはウサイン・ボルト(ジャマイカ)。3大会連続3冠という偉業達成がかかっている。

ヒトラーのオリンピック

この3種目の金メダル全てを手に入れた最初の人物が、アフリカ系アメリカ人、ジェシー・オーエンス(1913~1980)だ。それはナチ政権下の1936年、ベルリン大会でのことだった。

オーエンスは、リオ大会でボルトが出場しない走り幅跳びでも金メダルを獲得しており、4冠という快挙。五輪でアーリア人の優位性を世界にアピールする場にしようと考えていた独裁者アドルフ・ヒトラーの野望を打ち砕いたのだ。

その活躍を描いた映画『栄光のランナー/1936ベルリン』(8月11日公開)が、ちょうどリオ大会の陸上競技が始まろうかというタイミングで公開となる。オーエンス、ヒトラー、ゲッペルス宣伝大臣、女性監督レニ・リーフェンシュタール、後のIOC会長のアベリー・ブランデージといった実在の人物をうまく配置し、史実の合間にエンタテインメント性の高い人間ドラマを作り上げている。

「ヒトラーのオリンピック」と言われたベルリン大会は特殊な大会とも見られるが、この映画を見ると、五輪が今も抱えている問題点なども浮き彫りにしていて、五輪とは何かを改めて考えさせられる。

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最終更新:8月7日(日)11時30分

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