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トヨタの原価低減要請で部品メーカーの本音

ニュースイッチ 8月7日(日)9時51分配信

下期、部品値下げ幅拡大。「円高を理由に上乗せするのはいかがなものか」

 トヨタ自動車は取引先部品メーカーから購入する部品価格の引き下げ幅を、16年度下期(10月―17年3月)からさらに拡大する。トヨタと部品各社は1年に2回、部品価格の引き下げについて交渉している。トヨタが要請する引き下げ幅は業種や業績によって異なり、前の期に比べ0・5%減や1・0%減といった水準で提示される。16年度下期については上期の水準から、さらに0・2ポイント引き下げるなど、0コンマ数ポイントの上乗せを求める方向で調整している。

 それに対し部品メーカーからは早くも悲鳴が聞こえてくる。「うちが(上乗せを)のんでも、うちの仕入れ先に(値下げを)どう言おうか…」。こう頭を抱える部品メーカーは、仕入れ先である中小企業の業績が全般的に良くないという。とはいえ値下げを求めないと、すべて自社の持ち出しになってしまう。「タフな交渉になりそうだ」と身構える。

<為替リスク直撃>

 また別の部品メーカーは「以前は為替リスクをトヨタが100%負っていたから協力もやむなしだったが、今は部品メーカーも海外展開が進み、我々も直接負っている部分がある」と指摘。そうした状況の中で「円高を理由に上乗せするのは、いかがなものかという思いはある」と吐露する。

 こうした声が代表するように価格引き下げというと「トヨタが下請けから利益を吸い上げている」などと見られがち。しかし価格改定は競争力を高めるための重要な仕組みというのがトヨタの基本の考えだ。

 幹部は「競争力をつけて、もっといいクルマにして、より多くのお客さまに乗ってもらって、仕事量も増えて、トヨタもサプライヤーもウィン-ウィンになるという取り組みの一環」と説明する。

 とかく1年に2回の値下げという事象だけが話題となってしまうが、それは無駄を見つけて改善するというトヨタ生産方式(TPS)の基本のサイクルをまわす中での一つの出口だとしている。

 4日に決算発表の会見をした大竹哲也常務役員も「サプライヤーと一緒になって設計の改善、つくり方の改善を含めて部品の原価を下げる活動」と強調した。連綿と続く、この仕入れ先と一体となった原価低減活動がトヨタを頂点とする産業ピラミッド全体の競争力を支えてきたのは事実だ。

<外部環境の変化で強弱>

 一方で、トヨタは外部環境の変化や社会要請を受けて価格改定に強弱をつけてきた。11年頃の超円高では一時1ドル=70円台にまで進みトヨタなど日本の輸出型産業が苦しめられた。トヨタは11年度下期から2期連続で価格引き下げ幅の大幅上乗せを、仕入れ先に要請した。

 規模の大きな仕入れ先に対しては10年度の引き下げ幅だった1・5%に、さらに1・5%を上乗せし合わせて3%の値下げを求めた。関係者の間では「円高協力分」と言われた上乗せだ。円高による損失は、実際に輸出しているトヨタが引き受けてきたという背景がある。

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最終更新:8月7日(日)9時51分

ニュースイッチ

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