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1シーズンで地球半周、インドネシアの山火事の煙

ギズモード・ジャパン 8月7日(日)21時10分配信

それだけ大量の炭素が放出されており…。

2015年の秋、インドネシアでは1997年以来最悪の山火事シーズンを迎えていました。そこからの炭素排出量は、1日単位では全米の経済活動による排出量を超える日もあるほどだったことがわかっています。

さらに新たな研究で、当時の山火事の煙が地球を半周するほど広範囲に広がっていたことがわかりました。

「こんなものは見たことがありません」と、ゴダード宇宙科学研究所のRobert Fieldさんは米Gizmodoに語りました。Fieldさんはこの新たな研究に関する論文の主執筆者で、5つの地球観測衛星によるデータを使い、2015年に起きたインドネシアの山火事による汚染状況を分析しています。

山火事によるすすと一酸化炭素を含む煙は、赤道上の東アフリカから西太平洋まで、地球を半周していました。煙は2カ月間ただよい、インドネシアだけでなくタイ南部からマレーシア、シンガポール、オーストラリアまでの空気を汚染し続けました。

またその火事によって、炭素排出量世界第6位である日本の1年分より多くの炭素が排出されました(2013年との比較)。インドネシアの土壌の多くは植物が堆積してできた「泥炭」で構成されていて、燃えれば大量の炭素が放出されます。そして泥炭はそれ自体が燃料として使われているほど燃えやすいのです。

去年は世界的に強力なエルニーニョ現象の影響が起き、特にインドネシアはもっとも雨が足りない地域のひとつとなりました。でもそれは山火事が起きやすい環境を作っただけで、直接の原因は違うところにあります。インドネシアでは焼畑農業が行なわれているので、その火が地面の中の泥炭にまで伝わってしまうんです。「ある意味無尽蔵に燃料があるようなもの」だとField氏は言います。

幸い今年のインドネシアでは去年より雨が多く、山火事の勢いもそれほどではなくなると予想されています。ただ泥炭地の火災はインドネシアだけでなく、世界のあちこちで起きていて、そのたびに大量の炭素が放出されています。地球温暖化はいろいろな角度から進んでいるんですね…。

image by NASA Earth Observatory
source: PNAS
Maddie Stone - Gizmodo US

最終更新:8月7日(日)21時10分

ギズモード・ジャパン