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被爆の体験をDVDに収録 県被災者友の会、来年度作成

北國新聞社 8月7日(日)3時34分配信

 石川県原爆被災者友の会は来年度、広島と長崎で被爆した会員の体験談をまとめたDVDを初めて作成する。戦後71年目を迎えて会員の平均年齢は約84歳と高齢化が進み、体験者が被爆地の惨状を語り継ぐことが難しくなっているためだ。オバマ米大統領が現役大統領として初めて広島を訪問して原爆への関心が集まる中、核廃絶に向けた機運が高まるよう願いを込め、原爆の恐ろしさを後世に伝える。

 DVDには県内の被爆者6人ほどの体験談を収録する。語り部の被爆者は75~86歳で、原爆投下時に広島か長崎で暮らしていたり、旧日本軍の兵士として広島で救護活動に当たったりした。戦後、兵士は実家に帰り、女性は結婚などで県内に転居して生活している。

 被爆者は倒壊した家屋に生き埋めになった大勢の人が火災の犠牲になり、熱風などで真っ黒に焦げた遺体が運動場全面に並べられた様子などを紹介する。生き延びても、放射線が原因とみられるがんや白血病といった後遺症に苦しみ、結婚時に差別に遭う人も多かったと伝える。

 体験談は1人15分程度に編集し、全員分を収録したDVDを700枚作る。県内の全ての小中高校と大学、図書館などに寄贈して戦争と平和、原爆に関する学習に活用してもらう。

 友の会のメンバーは86人いるが、健康面の不安などから講演できるのは数人しかいない。数年後には「生の声」を紹介できなくなるとして、メッセージを映像で残すことにした。友の会によると、DVDを製作するのは全国でも珍しいという。

 オバマ大統領が広島を訪問してメッセージを読み上げたことで、会には被爆体験を講演してほしいとの依頼が寄せられており、西本多美子会長(75)は「原爆に対する関心は確実に高まった」とみる。その上で「私たちの遺言とも言えるDVDになる。核兵器も戦争もない平和な社会を実現するため、若い人や子どもに見てほしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8月7日(日)3時34分

北國新聞社